手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ

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chapter※11※※※※※※※※※※※※

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その週、セブ島から帰国したお父さんに朱鷺と一緒に報告をする。

お父さんの部屋で朱鷺が、私と結婚することと茶会までの話を終えると

「そうか…土産がこんなものしかないよ。美鳥へと買ったんだが」

お父さんは袋を私へ差し出した。

「ありがとうございます。開けていい?」
「どうぞ」

朱鷺も覗くその中身は、セブのフレッシュな果物を使った手のひらサイズのミニジャムセット6瓶だった。

「わぁ…ポメロもある。嬉しい」

マンゴー、パイナップル、バナナなどは日本でも有名だがポメロのママレードはセブのお土産でしか食べたことがない。

「去年美味しいと言っていたからね。スーパーに行けばポメロの大きい瓶もあっただろうが空港でしか買い物出来なかったんだ」
「大きい瓶は同じ味を毎日食べることになるからこれが嬉しい。ありがとうございます」
「うん…朱鷺は食べなくても、美鳥へのお土産だから…朱鷺がマンションへ行くこともあるということだろう?」

そう言ったお父さんは私たちの顔を順に見た。

「そういうことだ」
「美鳥がいいなら私は歓迎するよ。あれだけ話したあとだ、大丈夫だろうが…朱鷺でいいんだね、美鳥?」
「はい」
「嬉しいよ。うん、嬉しい。茶会もそれでいい。亨さんには私からも電話を入れてよくお願いしておく。庭園茶会だからね、茶室にいるわけじゃないからその場で何か言う人もいるだろうが、暇人の好奇心だと聞き流しなさい。対応は西田がする」
「はい。結婚すると言うわけではないので…こっちの家にもらわれてたんだぁ…という感じの反応でしょうね。私へよりもお父さんたちが‘娘’や‘妹’と言っていたことを言われるんじゃないかな?」
「そうだろうね。でももうここまで大人になった者のことをそう長くは噂しないよ。大丈夫だ、美鳥」
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