手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ

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chapter※08※※※※※※※※※※※※※※※※

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美鳥の頭に手を乗せたまま立ち上がると

「わっ…縮むって、朱鷺っ」
「座ったままだと座高が縮むから脚長効果があるんじゃないか?」
「全体的な長さが縮むからダメでしょ?…ん?高さ?」

美鳥が口を尖らせながらも、指でエア漢字を書いている。
身長と書くのに‘身長が長い’とは言わないし、座高になると‘高’という漢字だから混乱しているのだろう。

「英語は低いも短いもshortだから簡単なのにね」

そう言いながら立ち上がり、仕事のバッグを手にした美鳥は

「着替えてくる」

と先に部屋を出た。

「朱鷺」
「何?」
「この見合い、断るにしても会うだけ会ってからの方がよくないか?」
「パーティーで会ったしその場で断って向こうも親子で納得していたはず。そうだな、遠藤」
「左様でございます」
「その上での申し出ということは、俺と結婚してメリットがあると判断して正式に申し出れば断られないとでも思ったんだろう。ナメた真似をしてくれる…あのパーティーを他所のホテルでやっておきながら厚かましいんだよ。うちでやっていても断るがな。大手銀行の強みがあるんだろうが偉そうな営業で業績が伸びていないのかもしれないな。仕事とプライベートを絡める奴はお断りだ」
「だが、今回の見合いが日都銀行以外からでも断っていたんだろ?相手を聞く前に‘断る’と言ったな」
「当然。俺の気持ちは美鳥にしか向かない」

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