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chapter※08※※※※※※※※※※※※※※※

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朱鷺が結婚…朱鷺は子どもの頃から愛情をたっぷり持ち合わせた人で、とても真っ直ぐな人だから奥さんをとても大切にするのだろうと容易に想像できる。

私が奥様とのパーティーに知らず知らず拒絶を示したことに朱鷺が気づいたのも早かったと冴子さんから聞いている。
私が小学校へ入学した時に朱鷺は中学へ入学したのだが、私が寝る前には欠かさず学校のことや勉強で困っていることがないか、楽しかったことやこれからの学校行事のことなどたくさん聞いてきた。

今思えば、5歳から環境の変化に直面し続けて、食が細く、言葉も一時期減ったという私にたくさん話をさせていたのかもしれない。
私だけでなく西田夫妻のことも大切にする朱鷺は愛情をたっぷり持ち合わせた人。

そして、奥様に私をパーティーに連れて行くなと旦那様以上に言ったらしい朱鷺。
旦那様が早くに引退すると決めた時も‘わかった’それだけで今さらに突き進む彼は子どもの頃からとても真っ直ぐな人だと思う。

その愛情を一身に受ける朱鷺の奥さん…幸せに違いない…そう確信するとともに胸がチリッ…痛んだ気がする。
そしてトクンの解読は出来ないけれど、このチリッはわかると思ったんだ。
自分へかけてもらっていた愛情が他へ向くことへの寂しさ、羨ましさだと思う。

なんて自分勝手でワガママな感情だろうと自分に嫌気がさして、私は一度ゆっくりと瞬きをした。

すると隣から伸びてきた手がポンポンと私の頭に置かれる。

「美鳥は何も心配することはない」

そう言った朱鷺は

「正式に断る。何度言っても同じこと」

と旦那様に向かって宣言したあと、遠藤さんへ指示を出した。

「遠藤。しばらく日都銀行の担当者の対応、口ぶり等注視して見極め…僅かな変化でも感じればすぐに報告してくれ。そうなれば、こちらからの入金先等を徐々に変更していく」
「朱鷺様、承知致しました」
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