手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ

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chapter※06※※※※※※※※※※※※※※※※※

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「半日で上出来、俺。気にならないどうでもいい相手なら試されないはず。デート後半のやる気がますますでてくるね」

彼のわざとらしい大きな独り言に応える。

「ますますでてくると、どうなるの?」
「そうだな…美鳥はどうして欲しい?」
「あ…ズルい」
「バレた?でもほんとどうしようか…どこ行こうかな…あのギャラリーに行くから車にしたけど、東京って車じゃない方が便利に思うこともあるな。山梨じゃ思ったことないけど」
「それはほんとそう。電車が便利でタクシーも便利。バスは乗ったことないけど」
「俺も一緒。仕事の行き先によって、車か電車かタクシーの3択。よし、今日は車だから海の方へ行こう。美鳥、外が好きそうだから臨海公園散歩とかカフェとかどう?」
「賛成。で、ちょっと相談なんだけど龍之介さん?」
「はい?美鳥さん?」
「一昨日もご馳走になって、ギャラリーも…だからここだけ私にお任せくださいませんか?」
「そんな必要ないよ」
「ここだけって約束する」

私がそう言うと彼は右手の小指を立てて私の方へ差し出す。
私も同じように小指を立てて彼の小指へ絡めると、クイッとそのまま手を引かれて手の甲にチュッ…キスが落ちた。

「約束だよ。ごちそうさま、美鳥」
「今の…は…恋人の指切りのやり方なの?」
「いや、違うんじゃない?知らないけど、俺と美鳥の指切りにしようか?そうしよう、決めた。行くよ?俺が払っていいの?」
「や…待って、指切りしたでしょ…」

ボーッと座る私にヒラヒラと伝票を振って見せて歩き始めた龍を追って、何とか会計はさせてもらった。



そして…

「後半やる気がでてくると…こうなるの?…ちょっと恥ずかしい…」

海の見える公園を指を絡めて手を繋いで歩きながら言うと

「恥ずかしい?」
「…うん…」
「ドキドキ?」
「…」

それには前を向いたままコクンと頷いた。

「ドキドキか…俺は朝からドキドキして…一日一緒にいたらって予告して…今はもうその予告が当たったことを確信してる」

好き予告が?

「…あの…龍…」
「うん?」
「龍は…好きだとか…デートだとか…上手にできるんだろうけど…私ちょっとよくわからないから…ゆっくりと…」
「ふっ、上手にって何?」

足を止めた龍は繋いでない手で私の頬をそっと撫でる。

「好きに、上手も下手もないと思う。上も下もない…真っ直ぐに好きなだけで十分だと思わない?」
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