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西田さんにマンションまで送ってもらい、まずはゆっくりとお風呂に入ることにする。
夕食にしてもいい時間だが、ワインを飲んでいたせいかまだ空腹を感じない。

日本では少ないが、イギリスでは泡風呂用のバスミルクがボディソープのコーナーの大きさに匹敵するほどの面積を占め販売されている。
バスタブに使い慣れたバスミルクを投入し、蛇口からお湯を出して勢いよくそのお湯を当てておく。

1/3ほどの湯はりでお湯を止めるのも慣れたものだ。
半分まで溜めてしまうと顔にモフモフと泡がついてゆっくり入っていられなくなる。

今日も濃い1日だった…胸までを泡に沈めて振り返る。

北海道の企画は、まず川崎さんと一緒というのが楽しみだ。
遠藤さんと働くのもとても楽しみ。
朱鷺を支え蜷川を支えると決めているので、朱鷺と西田さん以外の人と積極的に働きたいと考えていたわけではない。
ただ彼らをサポートできる人材になれたら十分だが、今日お二人と話をして今後がとても楽しみになった。

そして試飲会。

ワイン自体は川崎さん好みのフレッシュなものが多い印象だったが、ブドウ園の責任者や工場責任者の方の顔を見て、また話をしておられるのを耳にすると、どのワインもキラキラと輝いて見えた。
作り手の顔が見えるというのは大切なことだな。

あ…柏木専務への電話…何時くらいがいいんだろう?
プライベートな電話なんて日本ではする相手がいない。
もちろん朱鷺とはするけど、あとは旦那様や冴子さんとたまにするくらいだ。
こんなことを考えるなら自分の番号を教えておいた方が楽だったな…

朱鷺は怒るのだろうか…裏切りなどと思うだろうか…それとも今の私の気持ちを汲み取って何も言わないだろうか…朱鷺を傷つけたくはない。
でも何らかのアクションを起こさないと彼のためにもならないし、私自身の朱鷺への気持ちも確かめられない。

それに柏木専務は‘アテンドして’と私がお願いした続きで、もう少しワインのことを教えてくれる気になったのだと思うからプライベートと言いながら半分仕事だろうね。
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