手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ

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「美鳥、オークワイナリーに返信」
「はい」
「うちの料飲等で検討するかどうかには触れなくていい。各レストランへ申し出てくれという旨の返信をして」
「わかりました。そうだよね、レストランのメニューはレストランが決めているものね」
「だから無視してもいいが、ワインは…もしかしたら各レストランとうちのバーやラウンジがイベントを企画する可能性はあるだろ?」
「国産ワイン月間、みたいな?」
「そうだ。だから返信はしてやって」
「はい」

こういうメールに応じるかどうかは難しいところだが、商品がワインということであれば全Ninagawa Queen's Hotelでなくてもどこかで扱うことがあるかもしれない。
しかも国内最大手ワイナリーという企業を無下に扱うのは得策ではない。

俺が若いCEOだということで外部からの目は常に厳しいものであると日々感じている。
その中で数字を微増ながらも増やし続けているのは、お客様への十分なサービス、もてなしはもちろん、他企業との関わりは欠かすことが出来ないと考えうまく付き合い続けているからだろう。

「あと、朱鷺。北海道の2店舗視察は今の予定で決定でいいですか?」
「いい」
「わかりました。フライト手配します」

北海道の新旧ふたつのNinagawa Queen's Hotel。
新しい方の数字が伸びない。
問題点を見つけるため、そしてスタッフ入れ替え等の検討のための出張だ。
各ホテルに総支配人が責任者としているので基本的には数字まで任せているが、その総支配人から相談や依頼があれば俺が動く。

「お昼、取ってきます」
「美鳥様、お願いします」

午前の仕事を終えた美鳥が従業員食堂へ行く。
そしてワゴンに3人分の昼食を乗せて運んでくるのだ。
最初は西田が行っていたのだが美鳥が好きなものを選びたいと言ったので今では美鳥の仕事だ。

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