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パラレル 結婚までの120日【本編とは全く異なるif…】

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 朱と店を出て、この前行きそびれた久世さんの店へ向かう…はずが

「香歩、最後の婚約破棄の合意書に署名まで終わったら俺と結婚しよう」

 店の裏口を出たところで朱が私を見つめて言う。

「朱?」
「ん?」
「…私と朱?」
「そう、香歩と俺」
「………けっ…こん…」
「そう、結婚」
「…家族なのに?」
「今も家族だが、俺が香歩の一番の家族になる」

 戸籍上は、私とパパの親子関係しかない。

「昔から…香歩が花柄のおっちゃんをペタペタ触っていた頃から、ずっと香歩が一番大切だ。今までに香歩以上のものも人も見つからなかった。これからも香歩以上の存在はいない。だから俺と結婚してくれ」
「………」
「香歩の心配も不安も全部俺が取っ払ってやるからな、大丈夫だ。俺の気持ちは翼さんたちには伝えてあるから、まずそこの心配はするな」
「…パパとお父さん?」

 そこでカーッと熱いものが込み上げてくるのを止められなかった。

 体の芯から何かが溶け出すような…トゲのある塊が消化されたような感覚。

「…私は………朱に甘えていいの?…好きって言っていいの?」
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