結婚までの120日～結婚式が決まっているのに前途は見えない～【完結】

パラレル 結婚までの120日【本編とは全く異なるif…】

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「まあ、瑛人は優しいから断れないという部分があるんでしょうけど」
「お母さん、今日のことを優しいって言っちゃダメだと思うよ？」

　家でも会社でも‘優しい’と言われている俺が香歩を傷つけるはずないのに、朱さんは‘傷ついてる’って大袈裟なんだよ。まあ、月曜日になれば香歩も落ち着いて出勤してくるだろう。

　月曜日に会社で会った三上さんはバレンタイン前と態度を変えることなく接してくれる。あの告白はなかったことにして、仕事はこれまで通りというところだろう。

「木戸くんも食堂？」
「はい」
「一緒にいい？」
「はい」

　社食なんて誰と一緒でもかまわない。月曜日だから今夜香歩は実家で明日から俺の部屋だな。今夜は美琴さんの店で食べるか…そう考えながら日替わりの八宝菜定食を食べる。

「ここ…いいですか？」
「どうぞ」

　トレイを置かずに俺の向かいの席に座っていいかと聞いてきたのは香歩の部署の今井さんだ。手作りチョコの今井さん。

　‘美味しかったよ’

　とお礼を言うべきだろうが、三上さんが隣にいるのでやめておく。

　昨日食べてみて本当に美味しかったのだが、それ以外…さすがに4箱はまだ食べきれない。今夜も食べて、明日、香歩が戻る前…明日の朝には残っているものはゴミに出すしかない。食べ物を捨てるのは気が進まないが、全部捨てると言ったからには捨てておかないと。