結婚までの120日~結婚式が決まっているのに前途は見えない~【完結】

まぁ

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番外編:朱

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 瑛人くんが迎えに来た時、香歩と会わせない、帰らせないという選択肢もあった。だが、俺は迷わず

「香歩~瑛人くんの迎えだ。帰れよ~」

 声を大きくして玄関から香歩を呼んだ。今、香歩に選択させると頭を悩ませることが増えるだけ。香歩が瑛人くんを好きなことは間違いないのだから、背中を押して瑛人くんのところへ行かせる。逃げずに向き合って、今より大喧嘩が起こったってその時はその時だ。

 前へ進むのも後退するのも香歩自身じゃないといけない。

「香歩、俺を信じてくれているのは分かってる。それでも不安になることもあるよな?俺が悪かった…今日もらった物は全部捨てるよ。一度受け取った事実は覆せないけれど…」

 出て来た香歩への瑛人くんの言葉は、数時間前にチョコを躊躇いなく受け取り、さらに香歩に受け取らないわけにいかない風に言っていたとは思えないものだ。

 俺は香歩がコートを取りに行った時に瑛人くんに聞いた。

「会社からの帰り、同じ話になった時には言わなかった‘全部捨てる’ということを今おっしゃる気持ちの変化は?」
「…気持ちの変化…?」
「はい。もしくは、対応策をどなたかに相談されましたか?」
「あ…」
「お待たせしてごめんなさ~い。朱、ありがとうね。日曜日の夜にはいつも通り帰るってパパたちに伝えておいて」

 香歩が出て来て瑛人くんの返事は聞けなかったが‘あ…’の顔は俺の読みが当たってるって顔だ。

 コイツ…ダメだな…さて、俺は香歩を守る態勢を整えるか。
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