結婚までの120日~結婚式が決まっているのに前途は見えない~【完結】

まぁ

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満ち足りる

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 私を挟んでパパとお父さんが座るカウンターで、何となく人目を引いている気がするのはよくあることだ。

 私がこの年になっても二人と私の距離は物理的に近いから。でも私たちの誰も気にすることなく、次々に焼き上がる素材のいい料理とワインを楽しむ。

「今年パパたちが旅行に行かなかったのは…私のあんなことがあったから?」
「いや、あれ以前からこのゴールデンウィークに旅行の予定はしてない。香歩が結婚する前だからこんな風に一緒に過ごしたくて、今年は行かないことに決めていた」
「結婚しないけど、ご馳走してくれてありがとう…ふふっ…お肉が…ふふふっ…」
「怪しい顔になってんぞ」

 お父さんがそう言うと、目の前のシェフとばっちり目が合う。

「…思わずこういう顔になる、お味です…美味しい」
「ありがとうございます。美味しく召し上がっていただくのが一番嬉しいです」

 美味しく召し上がっておりますとも。

「来月はパパとお父さんに私がご馳走するからね。お店はまだ決めてないけど」
「香歩恒例の父の日だね」
「そうだね。母の日でもいいんだけどね」
「それ、毎年聞いてる気がする」
「毎年言ってる気がする」

 予定では結婚式の後が父の日だったけれど、結婚式がなくなったのだから恒例行事をやろうと思う。
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