128 / 303
何分咲きから恋なんだ
8
しおりを挟む
それから肉粽(肉チマキ)を食べたのだが、これも美味しい。
「俺、これが今日の一番」
並木さんがそう言うのも分かる。醤油味のもち米の中に豚の角煮、干し海老、ピーナッツ、シイタケが入っていて、しっとりもっちり具だくさんな美味しさだ。
「美味しい…ここでお腹にきたなぁ…」
「ワンピースでも?」
「うん。私も普通の人だってことだね」
「じゃあ…」
そう言った彼はスマホを出して何かを調べると
「急げ。1時間のクルージング船に乗ろう」
満腹の私の手を引っ張って、海の見える公園を突っ切って乗船口へと急いだ。
「間に合ったぁ」
「腹減った?」
「まさか…でも1時間後にはいけるかも…わぁ…気持ちいい。ちょっとスカートがバサバサし過ぎるけど…」
マキシ丈だから捲り上がるわけではないが、可愛く揺れるのではなくバサバサバサバサと…大きく風を含み過ぎる。
「俺が押さえてやるから大丈夫。ん、これでいいだろ?」
私を後ろから囲むように彼がデッキの手すりを持つから、そりゃ足元も密着しているわけで…ワンピースのスカートはバサバサしないけれど、私の心臓の弁がバサバサと動き始めた。
複数ある心臓弁が心臓の拍動に合わせて協調して動くことによって、全身の血流を一方向に保つことができるのに今は協調性を失ってバサバサとバラバラに動いている。
私…死んじゃうの?
「俺、これが今日の一番」
並木さんがそう言うのも分かる。醤油味のもち米の中に豚の角煮、干し海老、ピーナッツ、シイタケが入っていて、しっとりもっちり具だくさんな美味しさだ。
「美味しい…ここでお腹にきたなぁ…」
「ワンピースでも?」
「うん。私も普通の人だってことだね」
「じゃあ…」
そう言った彼はスマホを出して何かを調べると
「急げ。1時間のクルージング船に乗ろう」
満腹の私の手を引っ張って、海の見える公園を突っ切って乗船口へと急いだ。
「間に合ったぁ」
「腹減った?」
「まさか…でも1時間後にはいけるかも…わぁ…気持ちいい。ちょっとスカートがバサバサし過ぎるけど…」
マキシ丈だから捲り上がるわけではないが、可愛く揺れるのではなくバサバサバサバサと…大きく風を含み過ぎる。
「俺が押さえてやるから大丈夫。ん、これでいいだろ?」
私を後ろから囲むように彼がデッキの手すりを持つから、そりゃ足元も密着しているわけで…ワンピースのスカートはバサバサしないけれど、私の心臓の弁がバサバサと動き始めた。
複数ある心臓弁が心臓の拍動に合わせて協調して動くことによって、全身の血流を一方向に保つことができるのに今は協調性を失ってバサバサとバラバラに動いている。
私…死んじゃうの?
41
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
皇太子殿下の秘密がバレた!隠し子発覚で離婚の危機〜夫人は妊娠中なのに不倫相手と二重生活していました
window
恋愛
皇太子マイロ・ルスワル・フェルサンヌ殿下と皇后ルナ・ホセファン・メンテイル夫人は仲が睦まじく日々幸福な結婚生活を送っていました。
お互いに深く愛し合っていて喧嘩もしたことがないくらいで国民からも評判のいい夫婦です。
先日、ルナ夫人は妊娠したことが分かりマイロ殿下と舞い上がるような気分で大変に喜びました。
しかしある日ルナ夫人はマイロ殿下のとんでもない秘密を知ってしまった。
それをマイロ殿下に問いただす覚悟を決める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる