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凍結から芽吹く
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「それ、わかる」
「頭の中で超高速緻密計算して話をしているのか、そんな計算せずに素で…本能で反応して話をしているのか、どちらかがわからない人だね。そんな雰囲気が人を惹き付けるんじゃないかと思うよ」
久世さんの言葉に朱が私を見る。
「巻き込まれる雰囲気があるんだよな…嫌な感覚ではないけど。俺もすぐに‘朱’‘千紘さん’になったのはそういう感じだな」
「仲良しなの?」
ハルさんに聞かれて朱が笑う。
「知らない間に仲良し風」
「朱くん、上手。分かりやすいわ。香歩ちゃんも仲良いの?」
「いえ…」
「昨日うちで一緒に飲んでた人のこと‘いえ’だって…千紘さんが聞いたらうるさいぞ」
「…」
「香歩ちゃんはああいう人、嫌いなタイプなの?」
「タイプっていうのは、あまりないんです」
私がハルさんに答えると朱が続けてくれた。
「香歩は好きも嫌いもタイプなんかでは判断しない。多分、嫌いな人もほとんどいないと思う。だから、千紘さんが嫌いなんじゃなくて…ふっ…香歩は千紘さんペースに巻き込まれるだけっていうことに抵抗中」
「そうなの?彼になら巻き込まれるだけでも面白そうだと思うけど?」
「どう考えたら、そうなります?」
「考えたらダメよ。人生楽しい方、楽しい方を選んで進むだけでオーケーだと私は思うよ」
私といくつかしか年の違わなそうなハルさんの言ったことが、目から鱗とまではいかないけれど、どこか腑に落ちる…そんな感じがした。
「頭の中で超高速緻密計算して話をしているのか、そんな計算せずに素で…本能で反応して話をしているのか、どちらかがわからない人だね。そんな雰囲気が人を惹き付けるんじゃないかと思うよ」
久世さんの言葉に朱が私を見る。
「巻き込まれる雰囲気があるんだよな…嫌な感覚ではないけど。俺もすぐに‘朱’‘千紘さん’になったのはそういう感じだな」
「仲良しなの?」
ハルさんに聞かれて朱が笑う。
「知らない間に仲良し風」
「朱くん、上手。分かりやすいわ。香歩ちゃんも仲良いの?」
「いえ…」
「昨日うちで一緒に飲んでた人のこと‘いえ’だって…千紘さんが聞いたらうるさいぞ」
「…」
「香歩ちゃんはああいう人、嫌いなタイプなの?」
「タイプっていうのは、あまりないんです」
私がハルさんに答えると朱が続けてくれた。
「香歩は好きも嫌いもタイプなんかでは判断しない。多分、嫌いな人もほとんどいないと思う。だから、千紘さんが嫌いなんじゃなくて…ふっ…香歩は千紘さんペースに巻き込まれるだけっていうことに抵抗中」
「そうなの?彼になら巻き込まれるだけでも面白そうだと思うけど?」
「どう考えたら、そうなります?」
「考えたらダメよ。人生楽しい方、楽しい方を選んで進むだけでオーケーだと私は思うよ」
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