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凍結から芽吹く

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「とにかく、嫌なことでなくてもおかしいと思うこととか、視線とか…アイツから香歩ちゃんへ接点を作らないようにしても、女からはわからない。だから誰からの嫌なことでも伝えてくれないとダメだよ?」

 並木さんが真剣に言うので、パパたちを順番に見た。

「千紘の言う通りだ」
「千紘くんに任せればいいよ、香歩」
「アイツ絡みの女からの嫌がらせはアイツのせいってことだ」
「香歩ちゃん、朱くんの言った通り、嫌なことはどこから降りかかってくるかわからない。不快に思うことは連絡ね。連絡先教えて。朱くんもいい?」

 スマホを出した並木さんと私たちが連絡先を交換すると

「でさ、香歩ちゃん」

 並木さんがスマホをポケットに入れながら言う。

「ぱぁ~っとデートしない?」
「へっ…?デート?」
「ははっ、千紘、順番待ちしてくれ」
「どういうことです、翠さん?」
「皆、考えることは同じ。香歩が一人で考え込む必要ないと言っても考えてしまうだろうからな。明日の日曜日は俺とデート。次の土曜日は朱、日曜日が翼ともう決めたから」
「千紘くんの出番は、早くても2週間後だね」
「いや…俺、平日に動けるんで。香歩ちゃん、夕食に誘うよ」

 そう言い残して、並木さんは帰って行った。
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