Kingの寵愛～一夜のお仕事だったのに…捕獲されたの？～ 【完結】

studio Saika SS 5

「dance studio…オープンか？」

チュッ…耳元に唇を落としたままで話されるとくすぐったい。

「羅依」
「うん？」
「私、教えることしか出来ないの」
「経営は無理だよな。そこは緒方と相談」
「緒方先生？」
「入会の規約とかジムで持ってるからそれを参考にスポーツ法務に強い弁護士に作成してもらう。場所的にも緒方が窓口っていうのが自然。互いに生徒の紹介も可能だろうし」

入会の規約なんて…月謝の管理だけでも無理だと思うから…

「私の教室じゃなくてもいいよ？私は教えるだけの人」
「その辺はどうにでも出来る。schoolにするか？studioにするか？窓にロゴ入れしような」
「ロゴ入れ…studioがいいかな？」
「studio Saika」
「名前入れるの？」
「俺好み。これは譲れない。Saika dance schoolでもいいが名前は必須」
「studio Saikaの方がいい…って、まだ夏さんのモニターレッスンさえ決まってないよ？」
「才花の中で方向性が固まったなら、他にもモニター生を探せばいい。子どものモニターは会社の中で募ってやる」
「ありがとう、羅依。くれぐれも‘初心者講師です’って伝えてね」

チュッ…返事は頬へのキスのようだ。私も首だけで振り返り唇を重ねた。