Kingの寵愛～一夜のお仕事だったのに…捕獲されたの？～ 【完結】

studio Saika SS 3

「いいよ、どうかした？」
‘ダンス講師の代役…まだ依頼の段階でもないので断ってくれてもいいですが、耳にしたので、才花に聞いてから興味があるなら先方に‘講師のアテがある’と伝えようかと…そういう状況です’
「講師の代役？興味はあるような、ないような…誰にどこでどんなダンス？代役ってことは、もうメニューがあるってことかな？」

そう応えながら羅依を見ると、人差し指一本でクイクイと私を呼んでいる。

‘私立で外部講師を使っている小学校です。珠算教室から先生が来て、低学年の3年間は必須とかいろいろ特徴を持たせているうちのひとつがダンスだそうで、これは5年生6年生の授業に組み込まれた部活。要するに選択授業です’

羅依の膝に座って一緒に話を聞く。

「中途半端な時期だよね？」
‘講師の体調問題が出てきたので、後任を探していると’
「場所は？」
‘ああ、羅依。場所は才花のバイトしていたカフェの近くです’
「ちょっと不便だが週1か？」
‘これ以上詳しいことは分かりません。才花が話を聞いてみるなら、俺の知り合いを通して学園に連絡して面談。それから考えてもいいと思います’
「一樹、学園のホームページを送ってくれ。特徴と言うなら何か載っているだろうから」
‘分かりました。送りますが、才花’
「うん？」
‘このまま返事がなくても、まだ誰にも何も言ってないので困りませんから’
「分かったよ、お兄ちゃん」