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サイサイ先生デビューSS 11
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緒方先生はスポーツ選手とよく会われるので、他にもコーチング講習などがあることを教えてくれた。
「心理学的な本を読むことだけでもプラスになるかもしれないよね、子ども相手なら特に。サイサイは、きっと自分がダンスする方が楽だろうけど、楽じゃない道を選ぶのがパワーのある人間だよね」
そう笑ってから
「極端に言えば、サイサイはこれまで自分のダンスをてっぺんに持っていくことだけを見てた人間。だから他の何もかも、まだまだ吸収出来るし吸収するべき。ダンス以外の不足部分が教える自信のなさに繋がるから。さっき言ったけど、ちょっと本を読むだけでも新しい価値のある知識になると思うよ。ボクとこうして喋っているだけでも、サイサイには未知の世界がある。もちろんボクにもね。だからたくさんの人と会って話すだけでも、そこから感じることがプラスになる。時間、大丈夫?」
と時計を見た。
「あ、もう行かなくちゃ」
7時25分…
「大丈夫、5分もかからない。気をつけて」
「ありがとうございました。いろいろ考えながら動いてみます」
「うん。ボクも何か気づいたら言うようにする」
「ありがとうございます。いってきます」
Tシャツとレギンスの上に服を着てるからすぐにフロアに立てるけど、一応ジムからクラブまで走って到着。植木さんに挨拶しながら服を脱いで、靴を履き替えマイクをつけると
「そのTシャツ、どうした?羅依か?」
植木さんが私に聞いてきた。
「羅依のです。貸してって言ったらパジャマか?って言ってたけど…おかしいですか?」
「おかしくはないよ。知ってる者が見れば騒ぎそうなだけ」
「知ってる?」
特に私の知るブランドではない、前は黒無地、後ろにゴールドの読めない英文字か記号がごちゃごちゃとあるだけなんだけど。
「それ、昔ここにあった俺たちのチームの」
「…ヤンチャが溜まってたという?」
「今や、ヤンチャはサイサイ先生の代名詞」
「失礼な…」
「羅依、まだ持ってたんだな」
「着てるのは見たことないですけど…これってまずいですか?」
「いや。羅依の嫁って分かってるんだし、いいんじゃないか?」
「どうした?」
私がTシャツの裾を引っ張りながら植木さんと話しているところへ、羅依とタクが来た。
「心理学的な本を読むことだけでもプラスになるかもしれないよね、子ども相手なら特に。サイサイは、きっと自分がダンスする方が楽だろうけど、楽じゃない道を選ぶのがパワーのある人間だよね」
そう笑ってから
「極端に言えば、サイサイはこれまで自分のダンスをてっぺんに持っていくことだけを見てた人間。だから他の何もかも、まだまだ吸収出来るし吸収するべき。ダンス以外の不足部分が教える自信のなさに繋がるから。さっき言ったけど、ちょっと本を読むだけでも新しい価値のある知識になると思うよ。ボクとこうして喋っているだけでも、サイサイには未知の世界がある。もちろんボクにもね。だからたくさんの人と会って話すだけでも、そこから感じることがプラスになる。時間、大丈夫?」
と時計を見た。
「あ、もう行かなくちゃ」
7時25分…
「大丈夫、5分もかからない。気をつけて」
「ありがとうございました。いろいろ考えながら動いてみます」
「うん。ボクも何か気づいたら言うようにする」
「ありがとうございます。いってきます」
Tシャツとレギンスの上に服を着てるからすぐにフロアに立てるけど、一応ジムからクラブまで走って到着。植木さんに挨拶しながら服を脱いで、靴を履き替えマイクをつけると
「そのTシャツ、どうした?羅依か?」
植木さんが私に聞いてきた。
「羅依のです。貸してって言ったらパジャマか?って言ってたけど…おかしいですか?」
「おかしくはないよ。知ってる者が見れば騒ぎそうなだけ」
「知ってる?」
特に私の知るブランドではない、前は黒無地、後ろにゴールドの読めない英文字か記号がごちゃごちゃとあるだけなんだけど。
「それ、昔ここにあった俺たちのチームの」
「…ヤンチャが溜まってたという?」
「今や、ヤンチャはサイサイ先生の代名詞」
「失礼な…」
「羅依、まだ持ってたんだな」
「着てるのは見たことないですけど…これってまずいですか?」
「いや。羅依の嫁って分かってるんだし、いいんじゃないか?」
「どうした?」
私がTシャツの裾を引っ張りながら植木さんと話しているところへ、羅依とタクが来た。
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