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変容期の心持ち 8

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「カッコいいよね。男のボクから見てもカッコいいよ、羅依は」
「……」
「羅依、そりゃ、良かったって言わなきゃ」
「……」
「アハハッ、サイサイ、いいんだ。羅依は羅依でボクのことを認めてくれている。タクのことも一樹のこともね。そして従業員にもそれだろ?そこが羅依がKingたる所以だとボクは思う」
「そうだよな。発端はヤンチャな俺たちの不動のトップだったことだけど、今は統治に優れたKingってところだな」

緒方先生とタクがいいこと言ってくれてるのに、羅依は無表情の無反応。

「すごく努力しての結果だと思うけど、それも適材適所?適性だと思う。羅依と一緒にお仕事をするタクがいてこそでしょ?結果が出てるってことはタクも適任なのよね?で、緒方先生は一人でストイックにひとつのことを極めるタイプで、そこで成功してるんだから…だよね?」
「俺の才花は頭がいい。俺好みだ」

チュッ…

「私、学校で勉強が出来たためしがないの。ダンスをしてなくても大学へは行かなかったと思う」
「それは学力の話。俺が言う頭がいいってのは、生きてく世界で通用する頭のいい人間という意味。才花の、すぐに具体例を挙げられるところ、感情コントロールに長けているところ、他にもいろいろあるが、そういう頭の良さのこと」
「誉められました…調子に乗っちゃうよ?」
「何にでも乗ってくれ」
「羅依が言うとエロい」
「はっ…?タク…大丈夫?お腹へった?」




「香さん、どこかで着替えて帰ったのかな?上から着られるものだったっけ…香さんの着てた服が思い出せない…」
「裸で歩いて捕まる心配はないんだ。どうでもいい」

それもそうだね。羅依と二人で半身浴をしながら

「香さん、しーちゃんに何て言うんだろう…」

また次の疑問が浮かび上がる。

「ジムを辞めたって言うか、辞めさせられたって言うかの違いは大きいよね」
「そうだな」

後ろから私の胸にやわやわと触れていた羅依の手が指を使い始める。

「だが、それほど問題はないと思う」
「どういうこと…って…羅依、ちょっと…」

指の動きをねっとりさせ始めた羅依を止めないと、のぼせる結果が予想される。

「どっちの言い方をしようが、その一言で終わらなきゃ伝わるんじゃないか?どうしてだとか、いろいろ話をする中で女が嘘を言ったって分かるだろうからな。家族なら感じ取る」

そう断言しながら、彼の右手は私の足の間へと落とされた。
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