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最終話 12

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 それから10時間眠り続けた正宗は、目覚めれば‘腹減った’と言い、食べてはまた長時間眠るを繰り返し、先生の言う48時間、撃たれてから72時間ほどが経つと、ここにパソコン、タブレット、スマホを持って来るように潤に指示した。

 そしてベッドの上で仕事をし肉を食べること2日間、先生も驚く回復力を見せた彼は

「明日の朝、食堂で飯を食う」

 と言う。すでに仕事のやり取りをしているので彼の回復ぶりは高須の内外に伝わっているが、組員に顔を見せるのは大事だと言った。

 食堂まで松葉杖一本使って右は私というスタイルで廊下を歩くのだが………正宗は私に体重を掛けることなく左の松葉杖と左足で器用に進む。

「こっち体重掛けて大丈夫だよ」
「左腕鍛えてる」
「何で?」
「お前を片手で支えて好きに出来るだろ?」
「…いつも好きにするでしょ…」
「もっと好きにするため」
「…じゃあ今こっち私要らないんじゃない?」
「いるだろうが、綸は」

 そう言うと私の腰をぐっと引き寄せ

「もう抱ける、あとで試すか?」
「試しませんっ!」

 その2週間後、銃撃から20日後、私たちはマンションに戻った。

 まだ治ってはいないが正宗曰く、もう何処にいても同じ、ここじゃ思い切り抱けねぇ…だそうで、彼は私の知らないうちに本家の彼の部屋の防音工事を発注していた。
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