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第十三話 12

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 そうして二人は帰って行ったが、はっと思い出し台所の隅に置いていた小さな紙袋を握り廊下を走って追いかける。足音に振り向いた二人に

「ちょっと待って…これ」

 紙袋の中から二つの包みを出しひとつずつ渡す。

「今日こんなことになっちゃって……渡すタイミングじゃないのかもしれないけど…これは伊東さんと小笹さんへ毎日のお礼にと思って今日買ったんです。ちょっと箱が潰れちゃったけど……」

 二人は少し驚いたような表情をしたあと

「ありがとうございます」
「開けてもいいっすか?」

 廊下で立ったまま…もっといい渡し方あったよねと思っていると

「うぉ、ありがとうございます。俺すぐ使います」

 と小笹さんはいくつかの鍵同士が引っ付いたものをポケットから出し、真新しいキーケースに鍵をつける。伊東さんも

「ありがとうございます。大切に使います」
「私は前にここで、身をもって守るというのは困ると言いました。今もそうは思うけど…でも伊東さんや小笹さんのやるべき事としては少し理解出来る気がします。ありがとう。これからもよろしくお願いします」

 私がそう頭を下げていたのを正宗が後ろから見ていたとは、知らなかった……


 初めて本家に泊まる夜だ。

 正宗の部屋にはシャワー室がありそこでカルビ臭い汗を流す。髪に二度目のシャンプーをしているとガタッ…扉が開き奥に押しやられた。

「ちょ……っとっ…」

 ここは明らかに一人用でしょ?

 抗議しようにもシャンプーの泡が邪魔だな。彼は私を後ろから包み込むように立ちシャワーを私の頭に掛け始める。泡を流す私に彼のすでに熱く昂ったモノが押しつけられ、子宮がきゅっと熱くなるのがわかり下を向いたまま息を吐く。彼は私と離れぬまま自分の髪を洗い出す…ええぇ…全部私に落ちてくるんだけど…もういいかと私は自分の体の空いてるところだけ洗い始めると彼が洗い流すシャンプーと自分のボディソープにまみれて笑い始めた。

「あははっ…ふふっ…おかしい、ねっ。何の泡かわかんない、ふふっ……」

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