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第十三話 4

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 夜、組長とリッキーへヤキモチを焼いた正宗にどろどろにされ微睡みながら

「正宗…ありがとうね」
「ん?」
「今日プレゼントとか本家で出来ること…話したでしょ?」
「したな」
「明日からのことが楽しみで眠る…明日何しようっか…明後日も…ってこんなの初めて」
「お前が自分から生きてるってことだ、綸」
「私…生きてるね…正宗のおかげよ…ありがと」
 
 28歳で死ぬと決めて、その日までのルーティンワークのような日々を消化していた毎日だった。

 変わる事といえば3ヶ月ごとの仕事と男。

 これも人と深く関わらないための死へ向いた行動であり、1週間とずれることのないルーティンワークのひとつだった。

 それが28歳になってこの気持ちだ。

 あの時死ななくて良かったな…そう思いながら眠りについた。この‘あの時死ななくて良かったな’は呟きとなっていたらしい…正宗の耳に届き彼が微睡みから引き上げられ、眠る私の頭や背中を撫でる手を止められなかったとは知らなかった。

 数日後朝から本家に行き、まず畠山さんに手伝えることがあるか聞く。

 私が来る頃だと思って数日シュレッダーを使ってない、と笑いながらお父さんの部屋で見せてくれた紙は結構な量で驚くと、今週仕事が多かったから助かると言われ、そこから1時間半以上……イヤホンでマサムネの歌声を聞きながらシュレッダーの前に留まった。これは忙しい人の仕事じゃないね……また定期的に私がやればいいな。

 次に台所へ行ってみると、京太さんが

「手伝ってくれる?それとも好きなもの作ってもいいよ」

 そう言ってくれるので冷蔵庫を見せてもらい

「トマト缶ありますか?あったらズッキーニ、パプリカ、なす、玉ねぎとニンニク使っていいですか?」
「ラタトゥイユ?」
「はい、暑いから…冷やしておいたら今夜からでも明日でもいいかなって」
「いいね。カットトマトの缶があるよ」

 京太さんは缶をいくつか出した後、自分は味噌汁を作っているようだ。

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