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Side Masamune 4
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会えない間も、綸には見張りをつけていた。
彼女が違和感なく歩けるようになってきたと朝の報告を受けたその夕方、綸がバーで男と話しているとの報告を受ける。俺は会社の仕事で郊外におり帰宅ラッシュのこの時間、繁華街まで2時間は掛かる。バーの表で人目につかないように俺に報告をする者に絶対に目を離すなと言った時には綸は男と店から消えていた。
くっそっ、ガッンッ…車の後部座席で運転席を蹴り上げた。今日は運転している潤が
「正宗、ここで蹴ろうが喚こうが構わないが…綸ちゃんと会って責めたりするなら会うな」
出来るだけスピードを上げながら言う。助手席の駿も言う。
「そうだよ、正宗。彼女は一般に言う‘普通’では育っていない…こんな環境で育った俺たちが言うのもおかしいがな。まだ心が通じ合った訳じゃないんだ。それどころか1ミリも彼女の心は緩んでないからな…これまで通りの彼女の全てを受け入れられないなら会わない方がいい」
「…駿、場所の特定急げ。行く」
到着前にはすでに場所は特定出来ており、車を降り迷わず安っぽい如何にもというホテルへ入る。
「正宗…落ち着けよ。わかってるか?真っ最中かもしれないんだ…それでも暴れずにいられるか?」
「…潤、駿…俺が綸を溶かしてやりたい。本気だから大丈夫だ」
扉を開けるとすぐ足元から点々と男女の脱ぎ捨てた物がベッドまで連なり、見覚えのある男が…綸に重なっていた…イトちゃん…っ…ぃま締め付けるなっ…男の声に奥歯を噛みしめ、爪が食い込むほど手を握りしめ表情は変えず耐える。これが今の綸だ…ほらまた今も温度のない瞳をしている。そして自分はどうでもいいかのように男の心配をする。
焦ってみろよ、怒ってみろよ…泣いたり笑ったりして見せてくれ。
彼女が違和感なく歩けるようになってきたと朝の報告を受けたその夕方、綸がバーで男と話しているとの報告を受ける。俺は会社の仕事で郊外におり帰宅ラッシュのこの時間、繁華街まで2時間は掛かる。バーの表で人目につかないように俺に報告をする者に絶対に目を離すなと言った時には綸は男と店から消えていた。
くっそっ、ガッンッ…車の後部座席で運転席を蹴り上げた。今日は運転している潤が
「正宗、ここで蹴ろうが喚こうが構わないが…綸ちゃんと会って責めたりするなら会うな」
出来るだけスピードを上げながら言う。助手席の駿も言う。
「そうだよ、正宗。彼女は一般に言う‘普通’では育っていない…こんな環境で育った俺たちが言うのもおかしいがな。まだ心が通じ合った訳じゃないんだ。それどころか1ミリも彼女の心は緩んでないからな…これまで通りの彼女の全てを受け入れられないなら会わない方がいい」
「…駿、場所の特定急げ。行く」
到着前にはすでに場所は特定出来ており、車を降り迷わず安っぽい如何にもというホテルへ入る。
「正宗…落ち着けよ。わかってるか?真っ最中かもしれないんだ…それでも暴れずにいられるか?」
「…潤、駿…俺が綸を溶かしてやりたい。本気だから大丈夫だ」
扉を開けるとすぐ足元から点々と男女の脱ぎ捨てた物がベッドまで連なり、見覚えのある男が…綸に重なっていた…イトちゃん…っ…ぃま締め付けるなっ…男の声に奥歯を噛みしめ、爪が食い込むほど手を握りしめ表情は変えず耐える。これが今の綸だ…ほらまた今も温度のない瞳をしている。そして自分はどうでもいいかのように男の心配をする。
焦ってみろよ、怒ってみろよ…泣いたり笑ったりして見せてくれ。
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