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第二話 6

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 私の腰に回っていた腕を潤が…いや駿が捻り上げ男が気の毒なほど痛がっている。変わりに私の腰に巻き付いた長い腕は私を引き寄せ

「綸…何された?」

 無駄に色っぽく耳元で囁かないで欲しい。

 もう今日は逃げられないんだと諦め答える。

「何もされてない…駿、放してあげて」

 駿は少し驚いた顔で手を放し、その隣にいた潤も私の隣の色っぽい男も驚いているようだ。

 その間に男は近くの車で走り去った。その後ろから私のすぐそばまで4台の黒塗りが停車している。

「あれ…全部あなたたち?」
「あなたじゃない、正宗」

 車中でも感じたが正宗と呼ばないと会話にならないらしい。他の名前ならいいけど抵抗あるんだよね、正宗っていうのは…しかしまた諦めて聞く。

「全部、正宗の車?」
「ああ、綸を探したからな」
「綸ちゃん、やんちゃだねーケガしてるんじゃない?」

 すっかりフレンドリーに話す駿は続けて言う。

「こんなに短時間で潤と俺を見分けたの、綸ちゃんだけだよ」

 彼が話し終わらぬうちに体が宙に浮き、落ちそうになったバッグを潤がキャッチした。

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