彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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荒獅子と黒椿 18

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「里、その口調で話をするような話題ではなさそうですね」
「いや、野沢…かまわない。里は社長でも若頭でもない俺に相談してるだけだ。そうだな、里?」
「うん、そう」
「これまでの里を見て、表だと思っていたが?」
「そのつもりだったけど、どっちもがいいと今日思った。決めた」
「決めたのか?」
「須藤家族になる。なりたい」
「すでに家族だぞ?」
「里はオムツの頃からずっと家族じゃねぇか」
「ははっ、津川さんとも風呂入ってたしね。そうなんだけど、表だけだと守られてるだけになるんだよ。俺も玖未ちゃんと同じように、家族の中で守られるだけでなく守れる存在になりたいと思う。それに…俺さ、たくさんの組員に育ててもらったんだ。一人だけクリーンで安全な表で生きるのは違うと思う」
「気持ちは分かったが、最後のだけは里の間違いだ。そうだな、野沢?右京も津川も」
「間違いですね」「間違ってる」「勘違いだな」
「玖未はどう思う?」
「…ぇ…私…いいの?」
「家族だから当然」
「…私も最後のは里くんが違うと思う…どこで生きていても里くんはみんなの家族でしょ?」
「玖未さん、満点解答130点です」
「…やった…10点アップした…」

野沢に誉められて喜ぶ玖未は小学生がテストでいい点数をとった時の音色を奏でるが、無表情というところが玖未らしい。

「そういうことだ、里」

俺が玖未の頭を撫でながら言うと

「そういうことだよ、里。それによく考えて?里は、津川さん世代の、いわゆる武闘派ってことはないだろ?表だけでも、組員にもなったとしてもどちらでもインテリヤクザって感じでやることは大して変わらない」

右京が弟に言い聞かせるように里を見た。
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