249 / 284
大切な枝葉たち 8
しおりを挟む
「大きい声で話すなら、スーパーの中には来ないで」
「グサッ…でもでもっ、それは護衛が足りないって悠仁が怒るよ?」
「…電話したらすぐに一人、組員さんが来てくれるんじゃないかなぁ?」
「ガーン…姫ちゃんに負けた…ショックでもう言葉がない…」
それはスーパーにちょうどいいよ、うさ。
「なるほど…ここでもう食堂行き、ダイニング行き、マンション行き、灰谷行きと分けられてると…」
小さい方のスーパーではこんな感じでなかったからね。かごごとに私が食材をどんどん入れるのを見ながらうさがカートを押す。
「うさ、料理できるって悠仁が言ってた」
「まぁね」
「今日の食堂の小鉢、お願いしていい?多分、今日は私…この食材を片付けてダイニングのご飯作ってたら無理なの」
「そういうことならオッケー。プラスの一品だよな?」
「ん…当番の予定はもう出来てるだろうからね」
「了解…っと…じゃがいもだけ取ってくる」
何が出来るかは知らないけれど任せておいて、次は…ツナ缶とかパスタを買っておこうか…私が生鮮食品売り場から移動したのを追いかけてきたうさが
「姫ちゃん、こんなのはネットで箱買いすればいいよ。今日必要?」
と私に言う。
「ううん、ストック」
「だろ?そしたらまとめて送ってもらえばいい。屋敷のペットボトル飲料だとかトイレットペーパーなんかの日用品もそうしてる」
「そうなの?」
「そう。姫ちゃんがその屋敷の物と別に単独で頼んでもかまわないから、あとで注文の仕方を教えるよ」
「ん…わかった、ありがと」
「買い物が楽になるよ?調味料とかも買えるしね」
「ん」
「小さい方のスーパーは昔からの付き合いもあって、例えば…醤油のペットボトルを箱で買ったりしてるだろ?」
「ん、見た」
「でも半分くらいはネットで買ってるはずだよ。安いから」
「そうなんだ…」
「でも昔からの付き合いも大切なんだよね」
悠仁に聞いたからよく分かる。安いからって他で全部買うのはダメなんだね。私が行っても、必ずパートの主婦さんたちもオーナー夫婦も声を掛けてくれる。最初は戸惑ったけれど最近は少しずつ慣れたので、ししゃもの南蛮漬けを教えてもらうくらいには話せる。教えてくれてししゃもを箱で勧められて商売上手だと思ったけれど、それもお付き合いということだね。
「グサッ…でもでもっ、それは護衛が足りないって悠仁が怒るよ?」
「…電話したらすぐに一人、組員さんが来てくれるんじゃないかなぁ?」
「ガーン…姫ちゃんに負けた…ショックでもう言葉がない…」
それはスーパーにちょうどいいよ、うさ。
「なるほど…ここでもう食堂行き、ダイニング行き、マンション行き、灰谷行きと分けられてると…」
小さい方のスーパーではこんな感じでなかったからね。かごごとに私が食材をどんどん入れるのを見ながらうさがカートを押す。
「うさ、料理できるって悠仁が言ってた」
「まぁね」
「今日の食堂の小鉢、お願いしていい?多分、今日は私…この食材を片付けてダイニングのご飯作ってたら無理なの」
「そういうことならオッケー。プラスの一品だよな?」
「ん…当番の予定はもう出来てるだろうからね」
「了解…っと…じゃがいもだけ取ってくる」
何が出来るかは知らないけれど任せておいて、次は…ツナ缶とかパスタを買っておこうか…私が生鮮食品売り場から移動したのを追いかけてきたうさが
「姫ちゃん、こんなのはネットで箱買いすればいいよ。今日必要?」
と私に言う。
「ううん、ストック」
「だろ?そしたらまとめて送ってもらえばいい。屋敷のペットボトル飲料だとかトイレットペーパーなんかの日用品もそうしてる」
「そうなの?」
「そう。姫ちゃんがその屋敷の物と別に単独で頼んでもかまわないから、あとで注文の仕方を教えるよ」
「ん…わかった、ありがと」
「買い物が楽になるよ?調味料とかも買えるしね」
「ん」
「小さい方のスーパーは昔からの付き合いもあって、例えば…醤油のペットボトルを箱で買ったりしてるだろ?」
「ん、見た」
「でも半分くらいはネットで買ってるはずだよ。安いから」
「そうなんだ…」
「でも昔からの付き合いも大切なんだよね」
悠仁に聞いたからよく分かる。安いからって他で全部買うのはダメなんだね。私が行っても、必ずパートの主婦さんたちもオーナー夫婦も声を掛けてくれる。最初は戸惑ったけれど最近は少しずつ慣れたので、ししゃもの南蛮漬けを教えてもらうくらいには話せる。教えてくれてししゃもを箱で勧められて商売上手だと思ったけれど、それもお付き合いということだね。
93
お気に入りに追加
257
あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
シンデレラは王子様と離婚することになりました。
及川 桜
恋愛
シンデレラは王子様と結婚して幸せになり・・・
なりませんでした!!
【現代版 シンデレラストーリー】
貧乏OLは、ひょんなことから会社の社長と出会い結婚することになりました。
はたから見れば、王子様に見初められたシンデレラストーリー。
しかしながら、その実態は?
離婚前提の結婚生活。
果たして、シンデレラは無事に王子様と離婚できるのでしょうか。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【完結】結婚初夜。離縁されたらおしまいなのに、夫が来る前に寝落ちしてしまいました
Kei.S
恋愛
結婚で王宮から逃げ出すことに成功した第五王女のシーラ。もし離縁されたら腹違いのお姉様たちに虐げられる生活に逆戻り……な状況で、夫が来る前にうっかり寝落ちしてしまった結婚初夜のお話

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる