彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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業が深く罪深い 13

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「遅くなり申し訳ございません。ただいま帰りました」
「大西ちゃーん、おかえり。今日はまだ休みでも大丈夫だよ?」
「いえ、そんな訳には。若、何なりと」

空港から直接屋敷へ戻った大西が頭を下げる。

「玖未が食堂にいる。ケガはないと思うが痛みが出ないか24時間くらいは様子見。ついてくれ」
「承知」

すぐに下がった大西だが、またすぐにおにぎりを持って戻って来た。人数が多いから残るなんてことはない。

「玖未さん、見回りの組員の分も…誰も眠らないのはみんなお腹がへるだろうと、一晩中料理しそうですけど…」
「眠れないだろうから、それでいい。玖未も食えるように一緒に休憩だけしてくれ」
「はい。今も、お茶を飲むのも忘れておられるようでしたから…気をつけておきます」

大西が出て行くと

「玖未もすでに戦ってんな」

親父がそう言いながら立ち上がり

「皆がいる間に風呂に入ってくる。皆もさっぱりしてから出ろよ」

と古原と桝井を連れて出て行った。

玖未もすでに戦ってる…その通りだ。

「若は部屋に戻られますか?」
「いや、こっちで」

玖未がすでに戦っているところへ、私的な感情を流し入れるのは良くない。玖未の決意に失礼だろう、と大きな風呂に皆と順番に入ることにする。

俺はもちろん、野沢と右京も着替えだけは取りに行かないといけない。玄関を通って自室へ向かおうとすると、玄関で段ボールの蓋を開けている玖未と会った。

「玖未、何してる?」
「ん…冷えてないけど、お茶とスポーツドリンク…大西さんがバケツに氷を持って来てくれるの。外のお当番も廊下もどこも暑いから熱中症対策の水分補給…玄関においておくことにした」
「グッドアイデアだよ、玖未ちゃん」
「私たちも車に飲み物は積み込まないといけませんね。忘れるところでした」

右京が玖未の頭をポンポンとし、野沢は一礼して部屋へ向かう。

「玖未は食ったか?」
「おにぎり食べたよ。悠仁も食べられた?」
「ん、3個と卵焼き。うまかった」
「良かった」
「1時半頃に出る」
「ん」
「残る奴の方が多い」
「わかった」
「今はそれだけしか言わない」
「ん…大丈夫。見送らないから…」
「それでいい。出迎えも…俺が玖未のところに戻るからそれまで待ってくれ」
「わかった、待つよ」

出迎えてもらったときに、万が一…血塗れだとしたら…それは洗い流して玖未の元へ戻りたい。

だから出迎えもいらねぇ。
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