彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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業が深く罪深い 12

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相手の組の若頭の女がやってるスナックへ澤井組長は自分のところの準構成員を客として送り込んだらしい。高級な酒をバンバンおろして店内で振る舞い、ママとうまく話をした。

出入りしていたクラブが潰れて残念だ、と切り出し何が起こっているのだろうかと懸念を示すと‘須藤組が絡んでるらしい’とママが言ったという。

その根拠を聞くと‘何も証拠はない、ただの憶測らしいけれど’と前置きして続けた。

捕まった桜龍神の一人は須藤組員から女のことを聞かれたことがある。

それは捕まる前、警察がクラブを嗅ぎ回り始めてすぐにそう話していた。その女は須藤組のことを話していた女で、そのあとクラブやセクキャバのことを悪く書き込んでいた。だが、本人が否定し続けるので確かめようと女のスマホを管理してその間に書き込みがないかどうかを確認したかったが一切動きがなくなった。

そりゃそうだろ…由佐が引くタイミングを間違うはずがねぇ。

結局確認出来ずじまいのところで逮捕者が出た。女に聞いてももちろん何も知らないと言ったが

「須藤の若さまの女って私の友達なの。私が若さまの背中の刺青を見たっていう関係に嫉妬したならば、誰か組員をタブらかして動かしてるかもね…フフ…あくまでも予想だよぉ?」

と続けたという。

それは辻褄が合うものだから組ではそれを真実と受ける者が半分と、半分は真実かどうかはどうでもよくてただ須藤のような大きな組を揺るがしたいイカれた者がいた。

「わかった。踏み込んでからその辺りを聞き出さないといけないところだったが、手間が省けた。ご苦労」
‘いえ。その女ってのがさっき若から聞いた‘中山舞花’ですね?’
「そうだ。許せねぇな」
‘そっちに近づけない方がよろしいですね?若と若の女を侮辱した罪は重い…しかもその戯れ言で被害が出てます。取り立てなんて優しいこと言ってないで、うちで落としましょうか?’
「死んだ方がマシだと…思わせてやれ。やり方は任せる」
‘仇討ちをお任せいただき光栄です。必ず’

仇討ちって…誰も死んでねぇが、そういうことでいい。途中から野沢も一緒に聞いていたので皆への説明は野沢に任せ、おにぎりを食う。ゆかりをまぶした米に梅干し…うまい。
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