233 / 284
業が深く罪深い 11
しおりを挟む
「遅れてすみません。自分たち二人は寝違えた程度で安静の必要もなし。今日乗り込むのも許可をもらいました」
「あの女医の言いそうなことですね」
「それで?行くか?」
古原と桝井が聞くと
「「はいっ」」
と返事がある。こうなると2人は決定だ。運転していた組員は胸を打っており様子見、もう一人は明らかなむち打ちでコルセットをしていた。
「大したことはありません。夜が明けるまで屋敷の見張りにはつかせて頂きます」
どちらも寝て待つ訳ではなさそうだ。今も屋敷はいつもより見張りが多い。夕方の事故を知った者が、屋敷の手薄な時間帯を狙ってくることを警戒しておかなければならない。
「屋敷は親父に任せる」
「それでいい。玖未もいるからな。朝まで万全に固める」
そう聞くと、皆は屋敷に残るのも重要だと思えるのだ。
「失礼します。見回るうちに…これ…おにぎりを届けていいのかと言う玖未さんに会いまして…案内すると言ったんですが、仕事の邪魔をしたくないから…と預かりました。まだもう少し握っておられます」
夕食を食べ損ねた俺たちにも、食っても今夜は眠ることのない組員たちにもありがたい。
「わぁ、卵焼きあるのか?」
「米を炊く間に焼いたそうです。手で食べられるでしょ?と言っておられました」
玖未の卵焼きを食べながら考える。間違いない計画を立てられているか?と自問する。2時…夜明けが早いから時間帯はこれでいい。
「野沢、車2台だ」
「承知しました」
黒塗りでぞろぞろと行くのはいけない。と、俺のスマホに澤井組長から電話があった。
「はい」
‘お忙しいところ申し訳ありませんが、ひとつご報告です’
「ん、何だ?」
‘相手の組が経営する風俗や飲み屋、全て確かめたところ全店通常通り営業しています’
「そうか…表だっては変わりない…あの夕方の二人の単独かどうかがわからないってことか…」
‘それも探ってきたんですが…’
澤井組長、なかなかやるじゃねぇか。
「あの女医の言いそうなことですね」
「それで?行くか?」
古原と桝井が聞くと
「「はいっ」」
と返事がある。こうなると2人は決定だ。運転していた組員は胸を打っており様子見、もう一人は明らかなむち打ちでコルセットをしていた。
「大したことはありません。夜が明けるまで屋敷の見張りにはつかせて頂きます」
どちらも寝て待つ訳ではなさそうだ。今も屋敷はいつもより見張りが多い。夕方の事故を知った者が、屋敷の手薄な時間帯を狙ってくることを警戒しておかなければならない。
「屋敷は親父に任せる」
「それでいい。玖未もいるからな。朝まで万全に固める」
そう聞くと、皆は屋敷に残るのも重要だと思えるのだ。
「失礼します。見回るうちに…これ…おにぎりを届けていいのかと言う玖未さんに会いまして…案内すると言ったんですが、仕事の邪魔をしたくないから…と預かりました。まだもう少し握っておられます」
夕食を食べ損ねた俺たちにも、食っても今夜は眠ることのない組員たちにもありがたい。
「わぁ、卵焼きあるのか?」
「米を炊く間に焼いたそうです。手で食べられるでしょ?と言っておられました」
玖未の卵焼きを食べながら考える。間違いない計画を立てられているか?と自問する。2時…夜明けが早いから時間帯はこれでいい。
「野沢、車2台だ」
「承知しました」
黒塗りでぞろぞろと行くのはいけない。と、俺のスマホに澤井組長から電話があった。
「はい」
‘お忙しいところ申し訳ありませんが、ひとつご報告です’
「ん、何だ?」
‘相手の組が経営する風俗や飲み屋、全て確かめたところ全店通常通り営業しています’
「そうか…表だっては変わりない…あの夕方の二人の単独かどうかがわからないってことか…」
‘それも探ってきたんですが…’
澤井組長、なかなかやるじゃねぇか。
110
お気に入りに追加
260
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳
大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。
でも、これはただのお見合いではないらしい。
初出はエブリスタ様にて。
また番外編を追加する予定です。
シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。
表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。
地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!
めーぷる
恋愛
見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。
秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。
呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――
地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。
ちょっとだけ三角関係もあるかも?
・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。
・毎日11時に投稿予定です。
・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。
・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる