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組と会社そして家 15
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灰谷が言った通り、3日目には食欲が回復した玖未は顔色もよくなったようだ。
「津川と大西に4日ずつ夏休みを取らせていいか?」
「ん、いい」
「順番に取らせて、その8日間にもう一人つくのは由佐でいいか?」
「ん…大丈夫」
由佐がしばらくこっちにいる間にと考えたことだが、玖未が嫌がれば他の方法を考えるつもりだった。いまの返事の感じでは、誰でも大丈夫と言うな。
人は所与のものを当然の権利として考えてしまう傾向にあるが、玖未にはそれがない。大西、津川、野沢、右京にも必要以上に馴れ合うこともなく、皆に同じように接する。
「バジル、採ってくる」
「何作る?」
「…内緒」
「お楽しみ、か」
チュッ…玖未の額に唇を落としヒップを撫でてからそっと押すと、上のバルコニーに玖未が行く。俺は大西に休みを取るように連絡を入れ、由佐にも玖未につくよう連絡を入れておいた。
今日は休日だから二人でマンションにいるのだが、もうすぐ野沢と右京が来るだろう。先週オープンさせた遊技場は、中央に遊技場、そして遊技場を取り囲むようにカラフルなキッチンカーを設置した空間だ。そのうちの1店舗‘スシロール店’の話を耳にした玖未が食べたいと言ったので、視察がてら二人が遊技場に行き、寿司を買って来てくれる。
もう来るだろうと、グラスなどを準備しながら見ていると、玖未は蛸とセロリをニンニク、唐辛子、オリーブオイルでさっと炒めて塩こしょうし、あとは火を止めて刻んだパセリとバジルを散らしてつまみを完成させた。
「いい香りだ」
そう言って覗き込むと、玖未が蛸をひとつ俺の口まで持ってくる。
「ん…うまい…」
玖未に会うまで、自分がこんな穏やかな休日を過ごすなんて考えてもみなかった。
「津川と大西に4日ずつ夏休みを取らせていいか?」
「ん、いい」
「順番に取らせて、その8日間にもう一人つくのは由佐でいいか?」
「ん…大丈夫」
由佐がしばらくこっちにいる間にと考えたことだが、玖未が嫌がれば他の方法を考えるつもりだった。いまの返事の感じでは、誰でも大丈夫と言うな。
人は所与のものを当然の権利として考えてしまう傾向にあるが、玖未にはそれがない。大西、津川、野沢、右京にも必要以上に馴れ合うこともなく、皆に同じように接する。
「バジル、採ってくる」
「何作る?」
「…内緒」
「お楽しみ、か」
チュッ…玖未の額に唇を落としヒップを撫でてからそっと押すと、上のバルコニーに玖未が行く。俺は大西に休みを取るように連絡を入れ、由佐にも玖未につくよう連絡を入れておいた。
今日は休日だから二人でマンションにいるのだが、もうすぐ野沢と右京が来るだろう。先週オープンさせた遊技場は、中央に遊技場、そして遊技場を取り囲むようにカラフルなキッチンカーを設置した空間だ。そのうちの1店舗‘スシロール店’の話を耳にした玖未が食べたいと言ったので、視察がてら二人が遊技場に行き、寿司を買って来てくれる。
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「いい香りだ」
そう言って覗き込むと、玖未が蛸をひとつ俺の口まで持ってくる。
「ん…うまい…」
玖未に会うまで、自分がこんな穏やかな休日を過ごすなんて考えてもみなかった。
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