彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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組と会社そして家 13

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「ごめんね…悠仁…」
「謝ることないだろ?」

そう言って玖未の唇に唇を重ねると、まだ話の途中なのに止まらねぇ…しっとりとした唇の感触を楽しむように何度も繰り返し唇を重ね、時折…唇で唇を挟む…時折…唇を舐める。角度を変える度に、背中に回した手で背中から腰の括れまでを撫でる。玖未の唇が軽く開いているのを感じるが、まだ侵入しない。

「全てこれから玖未とひとつ一つ相談して決める、と言っただろ?」
「…ん」

今度は唇で彼女の耳に触れ伝える…これを伝えるのは何度目か…

「相談は何度してもいい。何ヵ月続いてもかまわない。玖未が玖未自身のこの先のことを、俺と結婚するとだけ決めた状態…それもいいと思わないか?婚約者って響きは今だけのものだ」

玖未は俺との結婚は迷わずイエスだ。それは本人も自覚しているが、今後の予定というのを何度か相談しても決まりそうにない。

玖未が全くのノープラン、遠慮でも何でもない‘無’の状態。

何を食うかを決める、必要最低限の服や生活用品を選ぶ…仕事以外でこれくらいしかしたことがないんだ。

例えば、旅行の計画さえしたことがない。だから自分の未来を見据えた相談をしても何もアイデアがなく、意見がない。本当に‘何でもいいよ’と答えているのだ。

今もそれで謝る玖未に選択肢を与えるように、考える幅を狭めてやることにする。玖未に未来の計画を楽しむ経験もして欲しいから、俺が決定するということはない。

「少し枠を決めてみるぞ?今、7月になったばかり」
「ん」
「俺の誕生日の7月23日から玖未の誕生日の8月22日までの1ヶ月の期間で入籍を考えるのはどうだ?」
「…悠仁の獅子に合わせたように二人とも獅子座だから?その間ってこと…?」
「ん。誕生日にしてもいい。真ん中にしてもいい。語呂合わせを考えるのもいい。今日だ、と閃きでもいい。玖未が嫌でなければその辺りに絞って相談する」
「ありがと…考えてみたいと思う」
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