彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

組と会社そして家 4

昨日も買い物したけど、今日も買い物しなきゃ…屋敷のダイニングが一番食材が乏しい。

せっかく屋敷に行くけれど、食堂の一品を作る時間はなさそうだからオレンジを買って切って冷やしておくことにする。組員さんたちは果物をわざわざ食べるってことが少ないから。夜は一品作る予定だ。

10人同時に食べるのかな？一気に仕上げるには…親子丼とかどんぶり…いやいや、昨日が牛丼って言ってたから…グリルで魚を焼いて、上で野菜炒めでいいか。お味噌汁はみんな食堂なら夜に食べるかもしれないし…暑い昼だからそうめんの小鉢を付けておこう。これならだいたい同時に仕上げられる。

「クミ、手伝うぞ」

そう言う津川さんだが、あまり戦力にならないことは以前学習したから

「このオレンジ、食堂の冷蔵庫に入れて来て欲しい」

とおつかいを頼む。あとはお米を津川さんのお仕事に残しておこう。

大西さんは大きいのが邪魔だけど、器用に手伝ってくれる。今は三つ葉を荒みじんに切ってくれている。

私はそうめんを湯がきながら、隣でちりめんじゃこをフライパンでから煎り中だ。

「津川さん、帰って来ませんね。誰かにつかまったのかもしれないですね」

そういうこともあり得る。仕事中の組員さんがいるのだから。

「米も洗ってしまいます」
「ん…お願いします」

お父さんは今はいないけど、昼に戻るらしいので10人ランチだね。