彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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プロテクション 13

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返ってきたのは‘ん’だけだ。だが、玖未の感情の全てがこもった‘ん’

「玖未、結婚するぞ」
「…」

固まった玖未が持つ冷蔵庫の扉の先で‘ピーッ、ピーッ…’開けっ放しのアラーム音が鳴る。そっと扉から手を放すように指を撫でると

「…どうして…?」

玖未らしい返事が返ってきた。

「俺が玖未を唯一愛していることが、まず一番大きな理由」

こんな風に結婚の理由を説明する夫婦はこの世でどれくらいいるのだろうか。他人から見れば滑稽とも見えるやり取りであっても、俺と玖未には必要な会話だ。

「この先、絶対に玖未以外を愛することがない」
「…ん…私もかな…?」
「そうであるように俺は努力し続けるだけだ」
「努力?」
「玖未に毎日何度も愛を伝える」
「…」

ここでまた無表情の中で照れを滲ませる玖未が可愛い過ぎる。

「家政婦のように玖未を使うつもりは微塵もないが、こうして俺のことを思って何かをしてくれることにはこの上なく幸せを感じる。だから結婚する」
「…」
「お互いのことを思い合って、少しずつ何かを与え合って一緒に幸せを感じて生きていくために」
「…私は…悠仁が知っているような…ぇ…っと…おうちと言うか…戸籍?なんだろ…誰もいないんだけど」
「ん?」
「それでも…結婚って出来るの?」

親の結婚生活を見たこともなく一人で生きてきて、知人友人がいないために結婚について何も知らないまま生きてきて、結婚について考えたこともない結果の問いかけは、やはり23歳にしては子どもっぽいものだ。

だが、それが玖未だと愛しさが溢れてくる。

「出来る。今すぐにでも出来る」
「そうなの?」
「玖未が一言、俺と結婚する、と言えば出来る」
「…する」
「ん」
「私は…お互いのことを思い合って、少しずつ何かを与え合って一緒に幸せを感じて生きていくって…悠仁の言った事…そういう風に生きてみたい…どれくらい出来るかはわからないけど…」
「大丈夫だ、玖未はもう自然に無意識に出来てる」
「…ん…良かった…今すぐは…食べて」
「玖未を?」
「わざと言ってる…」
「ふっ…乾杯するか、二人で」
「ん、する」

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