彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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プロテクション 12

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玖未を迎えに行くと

「若、まだ早いって~帰って」

と灰谷妹が俺を睨む。だがすぐ後ろに玖未が来ており、立ちはだかる灰谷妹を越えて玖未の頬を撫でた。

「髪、どうした?」

暑いからと、最近よくまるで見た時のようにオールバックポニーテールにしている玖未だが、今は雰囲気が違う。

「…裕子さん」

そう言って少し横を向いた玖未はアップにしてもらった髪を見せているのだろう。

「可愛いな…髪でなく玖未がな」
「はいはい、社長。お疲れ様でした~シャンパンもワインもごちそうさまでした」
「美味しく頂きました」

俺がまだ玖未に触れていて、他の二人から声が掛かっているのにも関わらず灰谷妹は腕を組んで仁王立ちだ。

「奈保ちゃん、いいじゃない。またすぐにランチ会しましょ」
「先月オープンの肉カフェに行きたいわ」
「よし、乗った。玖未ちゃんも絶対参加よ」

ぐいっと片手で背中を押された玖未がその力に驚いた顔で俺の胸に飛び込んで来るのを抱きしめる。

「若、今日はこれで返すわ。玖未ちゃん、またね」

灰谷妹…誰とどこにいても一番偉そうな奴だ。

「悠仁、ご飯食べたよね?」
「牛丼食ってきた」
「ぇ…っと…」

シャツを脱ぐ俺の少し後ろで玖未が可愛く言い淀む。

「ん?もうベッドに入るか?遠慮はいらねぇ」

違うと言いたげにキッと俺を見た玖未の唇にチュッ…チュッ…チュッ…ペロッ…

「どうした?」

と子どものように抱き上げた。

「…………」

片手を俺の首に回し、片手では無言の指差しをする玖未の顔中にキスをしながら指差しの方向へと進む。

「冷蔵庫?」
「…食べる?」
「冷蔵庫は食えねぇから玖未を食う」
「…………」

俺に抱き上げられたまま冷蔵庫を開けた玖未は

「…ちょっと…悠仁の…置いておいた…ちょっと…飲むかなって」

冷蔵庫の扉を握ったまま照れた。可愛い過ぎるだろ。

「カルパッチョ、俺のつまみに置いておいてくれたってことな?」
「ん…」
「すげぇ、嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい…玖未がそうして生活してるのがめちゃくちゃ嬉しい…自分から周りと関わって生きてるのがな…嬉しい。俺への愛も感じて…今朝の電話もこのカルパッチョも幸せを感じる」

玖未には丁寧に言葉で伝えてやらないと伝わらない。

だから口にしたことのない台詞も躊躇いなく、玖未を見て伝える。
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