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暗暗裏に進むのはどちらか 1
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グラスやウイスキーが並ぶ、ロータイプの飾り棚の上に置かれた玖未のスマホを手にすると、メールとメッセージアプリ、そしてゴミ箱を確認したあと、通話履歴を確認する。
「ないな」
事態は放置出来ない深刻さだが、玖未にとって最悪の事態ではない、と頷き合い、そのスマホの電源を切る。
これまでやり取りをする相手がほとんどおらず、仕事でもパソコンなどを使ったことのない玖未はスマホに疎い。複雑な操作が出来ない玖未のスマホでは、今の確認で中山からのコンタクトがないことは明らかで、このあと俺がいない間に連絡があっては困ると電源を落としておく。ブロックしてもいいのだが、それでは相手の出方が分からなくなるので、さりげなく俺が玖未のスマホを管理すればいい。
スマホを元に戻して洗面所に行くと、玖未がドライヤーをオフにした。
「悠仁…大丈夫?」
「問題ねぇ…ただ、ちょっと繁華街でややこしいことを見つけちまった」
「そっか」
「すぐに対応したいから屋敷でミーティングだ」
「ん」
「終わるまで待てるか?ミーティングに玖未も参加するか?いいぞ?」
「お役に立てないから…不参加で」
「じゃあ、明け方まで頑張れるように仮眠しておくか?」
「…頑張れる?長時間ミーティング?」
「じゃねぇ…ミーティング後の俺の相手…してくれるだろ?」
そう言い、後ろからペロッと耳を舐めると
「分からない…最近眠れるから…」
玖未が鏡越しに俺を見た。
「ないな」
事態は放置出来ない深刻さだが、玖未にとって最悪の事態ではない、と頷き合い、そのスマホの電源を切る。
これまでやり取りをする相手がほとんどおらず、仕事でもパソコンなどを使ったことのない玖未はスマホに疎い。複雑な操作が出来ない玖未のスマホでは、今の確認で中山からのコンタクトがないことは明らかで、このあと俺がいない間に連絡があっては困ると電源を落としておく。ブロックしてもいいのだが、それでは相手の出方が分からなくなるので、さりげなく俺が玖未のスマホを管理すればいい。
スマホを元に戻して洗面所に行くと、玖未がドライヤーをオフにした。
「悠仁…大丈夫?」
「問題ねぇ…ただ、ちょっと繁華街でややこしいことを見つけちまった」
「そっか」
「すぐに対応したいから屋敷でミーティングだ」
「ん」
「終わるまで待てるか?ミーティングに玖未も参加するか?いいぞ?」
「お役に立てないから…不参加で」
「じゃあ、明け方まで頑張れるように仮眠しておくか?」
「…頑張れる?長時間ミーティング?」
「じゃねぇ…ミーティング後の俺の相手…してくれるだろ?」
そう言い、後ろからペロッと耳を舐めると
「分からない…最近眠れるから…」
玖未が鏡越しに俺を見た。
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