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光と影 16
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覚悟は出来ていたのだろう。女の会わない、という伝言も全く表情を変えずに聞いた玖未が、カラフルだという家族を眺める。
カラフルだよな…菩薩、般若、阿修羅、マリア、虎、大蛇…無節操な美術館状態だ。玖未の視線に、それらを怖がったり嫌悪する色が含まれていないことに皆が受け入れられたと感じ、玖未をさらに深く受け入れる。
「サンドイッチ…おいし」
「俺はまるで玖未が作ったヤツが美味しかった」
「あ…頭から抜けてるレシピだ。和風サンド…作るね」
「ん」
「奈保先生のところでも作ろ…カクテル頼んでくる。悠仁は?」
「キングスバレイ」
「ん」
一緒に立っても良かったのだが、大西に報告を聞く時間を取るために玖未だけを行かせる。
すぐに大西が横に立ち、津川、たくの父親、千田、森川兄弟、右京と野沢に囲まれたが、玖未が見える位置には誰も立たない。玖未は女の子に話し掛けられてバーの手前で足止めされたようだ。
「須藤と関わる危険性を説明しました」
「大西の説明は丁寧過ぎるくらいだった。おつかれさん」
「津川さん、耐えてましたよね。だからオレも耐えてましたけど、女がおかしな負け惜しみのようなことを叫ぶから、たくを使って叫んで掻き消しました」
千田のいい判断だ。
「だいたい、玖未さんに‘頭大丈夫?’って言った時点で排除と思ったんですけど…」
「俺たち兄弟がヒートアップしてはいけないと…玖未さんの大丈夫、で頭を冷やしました」
「素人相手に前のめりになってんじゃねぇ」
パシッ、パシッ…津川が森川兄弟の頭を軽く叩く。
「墨に嫌悪感は見せていたので、このまま言葉通り会わずに無関係でいてくれるといいのですが」
「女は俺たちの連絡先さえ知らねぇ。知っているのは玖未の連絡先だけだ。注意しておく。俺がいない時には大西、津川、その点も気にかけてくれ」
「「承知」」
カラフルだよな…菩薩、般若、阿修羅、マリア、虎、大蛇…無節操な美術館状態だ。玖未の視線に、それらを怖がったり嫌悪する色が含まれていないことに皆が受け入れられたと感じ、玖未をさらに深く受け入れる。
「サンドイッチ…おいし」
「俺はまるで玖未が作ったヤツが美味しかった」
「あ…頭から抜けてるレシピだ。和風サンド…作るね」
「ん」
「奈保先生のところでも作ろ…カクテル頼んでくる。悠仁は?」
「キングスバレイ」
「ん」
一緒に立っても良かったのだが、大西に報告を聞く時間を取るために玖未だけを行かせる。
すぐに大西が横に立ち、津川、たくの父親、千田、森川兄弟、右京と野沢に囲まれたが、玖未が見える位置には誰も立たない。玖未は女の子に話し掛けられてバーの手前で足止めされたようだ。
「須藤と関わる危険性を説明しました」
「大西の説明は丁寧過ぎるくらいだった。おつかれさん」
「津川さん、耐えてましたよね。だからオレも耐えてましたけど、女がおかしな負け惜しみのようなことを叫ぶから、たくを使って叫んで掻き消しました」
千田のいい判断だ。
「だいたい、玖未さんに‘頭大丈夫?’って言った時点で排除と思ったんですけど…」
「俺たち兄弟がヒートアップしてはいけないと…玖未さんの大丈夫、で頭を冷やしました」
「素人相手に前のめりになってんじゃねぇ」
パシッ、パシッ…津川が森川兄弟の頭を軽く叩く。
「墨に嫌悪感は見せていたので、このまま言葉通り会わずに無関係でいてくれるといいのですが」
「女は俺たちの連絡先さえ知らねぇ。知っているのは玖未の連絡先だけだ。注意しておく。俺がいない時には大西、津川、その点も気にかけてくれ」
「「承知」」
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