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有りのままのリアル 7
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「玖未」
「………」
お風呂から上がると同時に、帰って来た悠仁と洗面所で会うというタイミングに、お風呂のドアを掴んだまま固まった。
「ん?拭いてやろうか?」
「…おかえり…ゆーじん…」
「ん」
バサッと私に大きなバスタオルを被せた悠仁は
「俺も入ってくる。タバコ臭い…」
ぽいぽいとスーツから下着まで脱ぐ。
「着替え…隣から取ってくるね」
「いらねぇ。玖未も着る必要ねぇぞ。そのままベッドに入れ」
チュッ…と私のむき出しの肩にキスしてお風呂に入る悠仁だが…屋敷にはこのサイズより大きなお風呂があるのにね。
そう思いながらも、目に入った彼の逞しいモノに期待してしまう自分に恥ずかしさが込み上げてくる。ここ最近…そうなんだ…悠仁のことを‘えっち’だとか言ってられないくらい自分が悠仁に触れたかったり、触れて欲しかったりする。
バスタオルを体に巻きつけてドライヤーをかける間にも、鏡の中の自分がすごくいやらしく見える気がして丸い洗面シンクに視線を落とした。
「髪、俺が仕上げるか?」
「…終わった…早いね」
「俺の玖未を待たせるわけにはいかねぇ。たっぷり一日待たせた後だからな」
何故か私の巻きつけたバスタオルを取って自分を拭く悠仁がガシガシと自分の髪を拭く。
ピトッ…
「ん?甘えたか?」
まだ濡れている悠仁に抱きつくまでは出来なかったけど…ピトッ…彼の胸に頬を付けた。
「玖未」
濡れていることを気にせず私にぐるりと腕を回した彼は
「甘えた、大歓迎。何があった?何もないときも大歓迎だが、俺がいなかったから念のため聞く」
と、私の耳を食みながら囁いた。
「…ピト」
「ん」
これで引っ付いていたいと通じたらしい。適当に片手で濡れた体を拭くとバスタオルを手放し、彼は両腕で私を抱きしめた。
「…大鍋…慣れてるの…施設もよく似てる…」
「だろうな」
「でも…全然違ったの…」
「味は違って当然だろうな」
「そうじゃないけど…何か全然違ってた…」
「そうか…玖未はやっぱり須藤の人間になったな。感謝する」
そう言った彼は私の顎に指を添え視線を合わせると
「今日は家族と食ったから違って当然。うまかったか?」
問いかけたくせに私の唇を塞いだ。
「………」
お風呂から上がると同時に、帰って来た悠仁と洗面所で会うというタイミングに、お風呂のドアを掴んだまま固まった。
「ん?拭いてやろうか?」
「…おかえり…ゆーじん…」
「ん」
バサッと私に大きなバスタオルを被せた悠仁は
「俺も入ってくる。タバコ臭い…」
ぽいぽいとスーツから下着まで脱ぐ。
「着替え…隣から取ってくるね」
「いらねぇ。玖未も着る必要ねぇぞ。そのままベッドに入れ」
チュッ…と私のむき出しの肩にキスしてお風呂に入る悠仁だが…屋敷にはこのサイズより大きなお風呂があるのにね。
そう思いながらも、目に入った彼の逞しいモノに期待してしまう自分に恥ずかしさが込み上げてくる。ここ最近…そうなんだ…悠仁のことを‘えっち’だとか言ってられないくらい自分が悠仁に触れたかったり、触れて欲しかったりする。
バスタオルを体に巻きつけてドライヤーをかける間にも、鏡の中の自分がすごくいやらしく見える気がして丸い洗面シンクに視線を落とした。
「髪、俺が仕上げるか?」
「…終わった…早いね」
「俺の玖未を待たせるわけにはいかねぇ。たっぷり一日待たせた後だからな」
何故か私の巻きつけたバスタオルを取って自分を拭く悠仁がガシガシと自分の髪を拭く。
ピトッ…
「ん?甘えたか?」
まだ濡れている悠仁に抱きつくまでは出来なかったけど…ピトッ…彼の胸に頬を付けた。
「玖未」
濡れていることを気にせず私にぐるりと腕を回した彼は
「甘えた、大歓迎。何があった?何もないときも大歓迎だが、俺がいなかったから念のため聞く」
と、私の耳を食みながら囁いた。
「…ピト」
「ん」
これで引っ付いていたいと通じたらしい。適当に片手で濡れた体を拭くとバスタオルを手放し、彼は両腕で私を抱きしめた。
「…大鍋…慣れてるの…施設もよく似てる…」
「だろうな」
「でも…全然違ったの…」
「味は違って当然だろうな」
「そうじゃないけど…何か全然違ってた…」
「そうか…玖未はやっぱり須藤の人間になったな。感謝する」
そう言った彼は私の顎に指を添え視線を合わせると
「今日は家族と食ったから違って当然。うまかったか?」
問いかけたくせに私の唇を塞いだ。
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