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感情、知性の複合体 5

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夜に浸けておいたフレンチトーストは悠仁だけでなく、野沢さん、右京、大西さん、津川さんにも食べてもらった。

「玖未ちゃん、サンキュー、ありがとう。うまい」
「フレンチトーストなんて何年ぶりでしょう」
「本当に。仕事前に贅沢です」

右京、大西さん、野沢さんのあとに

「もう少し甘いのが俺好みだがうまい」

と津川さんが真面目に言った。

「これ以上甘いのは俺無理。玖未、次もこれくらいな」
「若がそう言うなら仕方ない。次もこれで頼む、クミ」

…コクン…

「ん?玖未、どうした?」
「…夜眠れて…朝のこんな時間に起きて…ワイワイご飯って…怖い…」
「怖くない、怖くない。明日も一緒に食べようよ、玖未ちゃん」

悠仁が私の頭を引き寄せてこめかみに唇を落とし、右京が賑やかに言う。

「…ん」
「もう玖未さんの‘ん’も板につきましたね。ごちそうさまでした」
「15分」
「はい、片付けておきます」

野沢さんに片付けを頼んで、悠仁は私を抱き上げると寝室へとゆっくり向かった。

「玖未」

悠仁はそう言っただけで、あとは何も言わずに私の頭と腰に腕を回してただ抱きしめていた。そしてしばらくしてから

「玖未がこの部屋の住人になり、須藤の人間になったということだ。ただそれだけだが…変化には違いないから怖くも感じる。でもな、玖未…」

そう言葉を区切った彼は私の後頭部を撫で

「全部一人で言葉に出来ただろ?大人だな」

と頭にキスをする。

「大人なの…?」
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