彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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成長期と成長痛 16

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「申し訳ありませんが社長を含め、私どもは仕事中です。玖未さんは社長が大切にされているのはもちろん、私どもが皆で日々サポートさせて頂いております。寝食、治療において全面的にサポート体制が整っておりますのでご心配には及びません」

タブレットを手にした野沢さんがそう応え、キーボードを叩いていた悠仁はやっとパソコンから視線を私に移すと

「キャラメル何とか…うまかったか?」

と聞いてきた。

「うん、バナナミルクにキャラメルの風味とホイップクリームとチョコレートソース…太る美味しさだった」
「ん?太っていいだろ?俺の玖未はスレンダー美人だから、まだ太る余地ありだ」

通路を挟んで何を言うんだ…言うだけ言って悠仁がまたパソコンに向かうと皆もタブレットとパソコンに向かった。

「彼って社長なの?」
「…そうみたい」
「みたいって、本当に付き合ってるの?」

社長とは聞いたけど‘若さん’っていうのが一番最初のイメージだから、社長っていうイメージがあまりない。

「うん…引っ越した」
「そうなの?一緒に住んでるってこと?」
「うん」
「ずーっとアパートだったでしょ?」
「引っ越したの」
「そう。遊びに行っていい?」
「…たぶん?わからないけど…」
「またすぐに連絡するね」
「うん」
「出ようか?私、少し買い物して帰る」

そうなんだ…私も、と言うのはどうか分からないのでお仕事中の悠仁を見るとパソコンを片付けて立ち上がるところだった。

「社長、出られます」

野沢さんが小さく言ったのは、駐車場で使わせてもらったインカムに言ったんだろう。館内にいる他の人たちも順番に珈琲を飲むくらいの時間があったのかな?

別で、と言っていたのに結局は野沢さんがまとめて払ってくれた。

「ありがとうございます。ごちそうさまでした」
「いえ、社長からです」

店の外で挨拶する舞花はペンシルスカートにざっくりニットがとても似合っている。

「ごちそうさまでした、社長…はおかしいですし…」
「須藤」
「須藤さん、ありがとうございました」

そう言ったあとで舞花がチラッと私を見る。ああ、右京だよね。今度は私がチラッと右京を見ると

「玖未ちゃん、俺?どうした?」

とすぐ前まで来てくれた。

ありがと、助かるけれど…右京って何右京だったっけ?紹介には名前ちゃんと言うよね、普通…あ、こっちからでいいか…右京、お願い…自分で名乗って…

「こちら、中山舞花さん」
「どうも、本間です」

本間右京、ありがとう。助かったよ……
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