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成長期と成長痛 13
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「玖未~玖未のお友達ですか?お待たせしました。中山舞花です」
「大丈夫、今来たところなの」
私がそう言う間に右京たちがぐっと距離を詰めて来て、悠仁は私ごと半歩下がった。
舞花の声は結構大きいからかな?
「玖未、二人でゆっくり楽しめ」
私の耳たぶを食むようにそう言うと、悠仁はそのままチュッと耳にキスして右京の後ろに下がったようだ。
「元気そうだね、舞花」
「うん。玖未は顔にもキズ作ったの?」
「失敗だよね」
「ほんと。ここ…みんな玖未の友達?」
「うん。とりあえず、どこかに…」
「パンケーキって感じでなきゃ、隣でお茶だけしよう。あっちは彼なの?一緒でもいいよ?」
「うん。でも二人で楽しめって…」
「そっか。じゃあ行こう」
舞花が先に歩き始めた時にいいのかな…と、周りを見ると大西さんが大きく両腕を使って丸を作り、津川さんが足早に先に店に入るのが見えた。野沢さんはニコッと微笑み、右京が‘いいよ’と声を出さずに言う。
悠仁はすぐに私の背後に付くと
「好きにして大丈夫だ」
と囁いた。
店内でまず目にしたのは津川さんがお客さんに頭を低く下げているところで何が起こったのかと驚いたけど、その席を空けてもらって他へ移動してもらったようだ。そうすれば広い通路を挟んで隣同士の席を確保出来るということだろう。
私と舞花は小さな二人掛けテーブルへ、通路を挟んだ4人掛けテーブルには悠仁、右京、野沢さん、津川さんが座った。
「ご一緒ですか?」
「別でお願いします」
お水とお手拭きの6セットを持った店員さんが通路から聞くと野沢さんが答えている。
「久しぶりのカフェ…何、飲もうかな」
「何でもいいよ、私カフェモカ。で?友達とか、彼とか、急に何がどうなってんの?」
「あ…うん…ちょっと待ってね…ビターカカオカフェラテ…エスプレッソとハイカカオチョコレートを合わせフォームドミルクを注…」
「それでいいね」
「玖未ちゃん、何にするの?」
舞花が店員さんに手を上げたとき、右京が通路の向こうから私に聞いて首を傾げて…ああ…これがキラースマイルか、と思う見たことない笑顔を見せた。
でも…キラースマイルだと確信したけど…でも…私はいつもの右京の方がいいと思う。
「大丈夫、今来たところなの」
私がそう言う間に右京たちがぐっと距離を詰めて来て、悠仁は私ごと半歩下がった。
舞花の声は結構大きいからかな?
「玖未、二人でゆっくり楽しめ」
私の耳たぶを食むようにそう言うと、悠仁はそのままチュッと耳にキスして右京の後ろに下がったようだ。
「元気そうだね、舞花」
「うん。玖未は顔にもキズ作ったの?」
「失敗だよね」
「ほんと。ここ…みんな玖未の友達?」
「うん。とりあえず、どこかに…」
「パンケーキって感じでなきゃ、隣でお茶だけしよう。あっちは彼なの?一緒でもいいよ?」
「うん。でも二人で楽しめって…」
「そっか。じゃあ行こう」
舞花が先に歩き始めた時にいいのかな…と、周りを見ると大西さんが大きく両腕を使って丸を作り、津川さんが足早に先に店に入るのが見えた。野沢さんはニコッと微笑み、右京が‘いいよ’と声を出さずに言う。
悠仁はすぐに私の背後に付くと
「好きにして大丈夫だ」
と囁いた。
店内でまず目にしたのは津川さんがお客さんに頭を低く下げているところで何が起こったのかと驚いたけど、その席を空けてもらって他へ移動してもらったようだ。そうすれば広い通路を挟んで隣同士の席を確保出来るということだろう。
私と舞花は小さな二人掛けテーブルへ、通路を挟んだ4人掛けテーブルには悠仁、右京、野沢さん、津川さんが座った。
「ご一緒ですか?」
「別でお願いします」
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「久しぶりのカフェ…何、飲もうかな」
「何でもいいよ、私カフェモカ。で?友達とか、彼とか、急に何がどうなってんの?」
「あ…うん…ちょっと待ってね…ビターカカオカフェラテ…エスプレッソとハイカカオチョコレートを合わせフォームドミルクを注…」
「それでいいね」
「玖未ちゃん、何にするの?」
舞花が店員さんに手を上げたとき、右京が通路の向こうから私に聞いて首を傾げて…ああ…これがキラースマイルか、と思う見たことない笑顔を見せた。
でも…キラースマイルだと確信したけど…でも…私はいつもの右京の方がいいと思う。
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