彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

成長期と成長痛 8

「メッセージのようですよ？」

野沢さんが私にスマホを渡してくれるけど食事中だからと思って横に置いた。

「俺の玖未が出来すぎレディで怖い」

そう言って私の頭を撫でた悠仁は

「食事中だが、食いづらくて疲れただろ？明日のことだろうから食事を休憩して見ていいぞ」

とスマホを指さした。

「じゃあ、ちょっとだけ」

とメッセージを見ると、やはり舞花からで

‘転けてナイフが使えないってどんなケガしたの？電話していい？仕事休んでるよね？’

とある。

「どうしよ…」
「ん？」

応えたのは悠仁だが、野沢さんと右京も‘ん？’という表情で私を見ている。

私は悠仁を信用、信頼して頼る。その悠仁が信用、信頼する彼らも私が信用、信頼すべき人だろう。

現に、集団ストーカーの時から、昼間に会社の仕事をしたあとのあんな深夜に毎晩送りに来てくれたんだもの。

彼らの表情を見てそう思った。

「私は…悠仁に頼って…野沢さんと右京にも頼っていいのかな？」
「いいぞ。野沢と右京だけでなく、大西、津川も大丈夫だ」
「玖未ちゃん、やっと？これだけべったり一緒にいてやっとかぁ…待ってたよ」
「私も大歓迎です。何なりと、先ほどの‘ガセ’何とかのようなお喋りから、人生相談まで」
「ありがと…これからよろしくお願いします」

なぜ今だったのかは分からないけれど、何となくここの皆を頼っていこうって思ったんだ。

「転けてこのケガって…まずかったかな？どう説明しよう…いきなり困っちゃった…」
「めちゃくちゃ可愛い相談だね、玖未ちゃん」
「本当に。悶絶レベルの相談ですね」
「…」

ちょっと想定外のわからない返答が右京、野沢さんと続いたから悠仁の袖を引く。

「悶絶って…気絶ってことだと思ってたけど…？」
「正しい理解だ。痛みや苦しみといった苦痛によって悶え苦しむことが悶絶。ただ稀に、可愛い衝動に耐えられないようなものに対して使われる」
「…今の野沢さんのは…？」
「玖未の可愛さに悶絶ってことだ」
「…ヘン…タイ…？」
「気にするな、させておけ。そういう時の野沢はすげぇ」

悠仁に聞いて分かったようで、更に分からないけれど頼りにはなるってこと？