彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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現在とか未来とか 14

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「玖未、自分で大西に言えるな?今日のひとつは明日以降のための練習だ。頑張れ」

悠仁は私の頭を引き寄せて唇を落とすと、セーターの袖を少したくしあげてパソコンの前に座る。

「玖未さん、どうぞ何なりと」
「はぃ…っと…みんなのおやつを買いに…私の食べたいもので…」

何を言っているんだ…悠仁の言ったことを下手に説明しているようなものじゃない。

「…ちょっと贅沢なんですけど…」
「はい」
「パン」
「パン?」
「スーパーとかコンビニで買う袋のじゃなくて…パン屋さんで…こう…選んでトレイに取るっていう…」
「ああ、ベーカリー、いいですね」
「…あれ、やったことないんです。パン屋さん…ベーカリーって、前日の食パンが30円引きになっていてもスーパーの食パンより高いんです。でもやっぱり美味しいから…ほんのたまには買いましたけど」
「行きましょう、玖未さん。若、屋敷の反対側へ徒歩3分が一番近くです。屋敷の向こう側までなら車ですね」
「玖未が決めていいが、どちらにしても下に居る奴をもう一人つけろ」
「はい。玖未さん、歩きか車、どちらにしますか?パンの味見も兼ねて、次回は違う方へ行きますが」
「あ…じゃ…今日は近くでお願いします」
「2分お待ちください」

そう言った大西さんが電話をかける間に

「玖未、たくさん買って来いよ。支払いは大西に任せろ」
「珈琲を淹れて待ってますね、玖未さん」
「俺、カレーパンがいい」

と3人が言う。たくさん買って、カレーパンを忘れないように…コクン…

「津川さんと下で合流して出ます」
「ん、後で津川も一緒にここまで上がれ」
「はい。では玖未さん、出発です」
「…いってきます…」
「「いってらっしゃい」」
「楽しんで来い、玖未」

大西さんとエレベーターに乗ると、ちょっとした緊張感が彼に伝わったのか

「数日ぶりの外出ですから歩きがいいですよね」

とニコッと声を掛けてくれる。

コクン…

エレベーターが1階へ着くと

「お嬢ちゃん、若の女になったって…やっと…」

吸っていたタバコを携帯灰皿に入れながら独り言のように言った人が、私の正面に立った。
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