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現在とか未来とか 10
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「玖未さん、改めて初めまして。大西研二です。年は若よりひとつ上の31歳。下のコンビニを任されている姉がいます。どうぞよろしくお願いします」
「…天野玖未です。お願いします」
悠仁も背が高いけれど、大西さんは背が高いだけでなくゴツい。でも声が可愛い感じだ。
「玖未、大丈夫か?」
「何が?」
「大西の印象。嫌なら他の組員に変える」
「全然大丈夫」
「玖未ちゃーん。大西の印象は?ズバリ?」
悠仁の失礼な質問に素早く答えた私に右京が聞く。
「…ズバリ?」
「そう、ズバリ?」
「…ゴツいけど…可愛い声かな?って…」
「ああ、よく言われます。一応声変わりしたんですけれど…早速ですが、玖未さんと連絡先の交換をさせてください」
「はい。私のスマホ…どこだっけ?」
「ベッドんとこか?」
「取ってくる」
使わないままのスマホを取りに行きながら、集団ストーカーから始まった彼らとこんなに普通に話せている自分にも、悠仁を信頼している自分にもとても驚いた。
彼なら大丈夫…どこか自分の中で常にそう思っていることにはもう気づいているもの。
「玖未さん」
「はい」
「もう買い物くらいは大丈夫だと聞いていますので、お出掛けの際にはご連絡ください。下の部屋に居ますので、若がご一緒でない時にも必ず玖未さんから連絡をお願いします」
「…質問あり…です」
「「「どうぞ」」」
そう言ったのは、大西さん、野沢さん、右京で、悠仁はまた私の肩を引き寄せて腕を撫でている。
「あの…どの程度のお出掛け?ぇ…っと…奈保先生のところは一人でいいよね?下のコンビニもマンション内だし…」
「いい質問です、玖未さん」
野沢さんに誉められた…
「灰谷のところまでは一人でいいが、コンビニは一人ではダメだ」
悠仁が私に言うのを右京が引き取る。
「今みたいに、例えば俺がここで仕事していたら俺が一緒に行くよ。でも玖未ちゃんがこの部屋に一人の時は大西に連絡して迎えに来てもらってからコンビニまで降りて」
「コンビニは外部の人間が自由に出入り出来ますから、念のためにお願いします」
最後は中性的な、少年のような声の大西さんが頭を下げたので驚いて返事した。
「はいっ、大丈夫…分かりましたので…」
「今からお出掛けされますか?」
「…」
「玖未、買ってみたいもの、食べてみたいもの、ちょっと贅沢かと思って控えていたもの。そんなことを毎日少しずつ、ひとつずつやってみればいい。15から8年間最低限の休日だけで働き続けたんだ。このゆっくりした時間は…ケガを伴ってはいるが、こうしないと玖未が休まないことを知ってる女神の仕業だな。楽しめばいい」
「っ…ちょっ…と…考えてくる」
その悠仁の言葉を聞いて私は慌ててベッドルームに戻った。
「…天野玖未です。お願いします」
悠仁も背が高いけれど、大西さんは背が高いだけでなくゴツい。でも声が可愛い感じだ。
「玖未、大丈夫か?」
「何が?」
「大西の印象。嫌なら他の組員に変える」
「全然大丈夫」
「玖未ちゃーん。大西の印象は?ズバリ?」
悠仁の失礼な質問に素早く答えた私に右京が聞く。
「…ズバリ?」
「そう、ズバリ?」
「…ゴツいけど…可愛い声かな?って…」
「ああ、よく言われます。一応声変わりしたんですけれど…早速ですが、玖未さんと連絡先の交換をさせてください」
「はい。私のスマホ…どこだっけ?」
「ベッドんとこか?」
「取ってくる」
使わないままのスマホを取りに行きながら、集団ストーカーから始まった彼らとこんなに普通に話せている自分にも、悠仁を信頼している自分にもとても驚いた。
彼なら大丈夫…どこか自分の中で常にそう思っていることにはもう気づいているもの。
「玖未さん」
「はい」
「もう買い物くらいは大丈夫だと聞いていますので、お出掛けの際にはご連絡ください。下の部屋に居ますので、若がご一緒でない時にも必ず玖未さんから連絡をお願いします」
「…質問あり…です」
「「「どうぞ」」」
そう言ったのは、大西さん、野沢さん、右京で、悠仁はまた私の肩を引き寄せて腕を撫でている。
「あの…どの程度のお出掛け?ぇ…っと…奈保先生のところは一人でいいよね?下のコンビニもマンション内だし…」
「いい質問です、玖未さん」
野沢さんに誉められた…
「灰谷のところまでは一人でいいが、コンビニは一人ではダメだ」
悠仁が私に言うのを右京が引き取る。
「今みたいに、例えば俺がここで仕事していたら俺が一緒に行くよ。でも玖未ちゃんがこの部屋に一人の時は大西に連絡して迎えに来てもらってからコンビニまで降りて」
「コンビニは外部の人間が自由に出入り出来ますから、念のためにお願いします」
最後は中性的な、少年のような声の大西さんが頭を下げたので驚いて返事した。
「はいっ、大丈夫…分かりましたので…」
「今からお出掛けされますか?」
「…」
「玖未、買ってみたいもの、食べてみたいもの、ちょっと贅沢かと思って控えていたもの。そんなことを毎日少しずつ、ひとつずつやってみればいい。15から8年間最低限の休日だけで働き続けたんだ。このゆっくりした時間は…ケガを伴ってはいるが、こうしないと玖未が休まないことを知ってる女神の仕業だな。楽しめばいい」
「っ…ちょっ…と…考えてくる」
その悠仁の言葉を聞いて私は慌ててベッドルームに戻った。
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