彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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現在とか未来とか 8

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‘あなたには何もわからないでしょう。話になりません’
「私のセリフを先に言われてしまいましたね」

ますます冷たくねちょっと粘りを帯びる野沢さんの声に寒気を感じそう…と思うと、悠仁が私に回した腕で私の腕を擦ってくれる。

「冷気…きた?」
「きてるな」
「右京は愉しそう…」
「右京を怒らせたら暴走して怖いぞ?」
「そうなの?」
「玖未には絶対にあり得ねぇ。敵と認識した奴には怖いな…暴走もすれば、ねちねちといたぶりもする」

悠仁とこそこそ話をしていると

‘玖未’

と呼ばれた。

「…」
「玖未さんはもうあなたと話をすることはありません。それともさっき彼女がおっしゃった‘襲われた’だとか‘警察’だとか、私にはよくわかりませんでしたが、そこをきっちりお話しましょうか?」
‘何のことだ?’
「わからないのであれば問題ないのでしょう。ただ私のこれまでの経験から言わせてもらいますと、悪いことをすれば必ず自分の身に返って来ますよね。では、これで失礼します。今後電話が繋がらないことはお伝えしておきます。引き払うアパートにもお越しにならないように、重ねてお願いいたします。もしお会いするようなことがあれば、しつこい付きまといだと訴えますよ…警察に」
‘………’
「では、失礼致します…………お疲れさまでした、玖未さん。任務完了です」
「…お疲れさまでしたのは野沢さんで…ありがとう」
「がぁ…苦しかった…声を出さなかった俺を誰か誉めてくれぇ」
「えらい」
「わっ、氷点下の声だね、玖未ちゃん」

なるほど、氷点下という言葉があったか…私の最低気温を下回ると言うよりも氷点下と言う方がいいかもしれない。

「玖未が最高に頑張った」
「そうですね‘…その時に警察って行きましたっけ…日野先生?’と格好良かったですね。私もあれでスイッチ入ったので」
「玖未ちゃんと野沢って、ひんやり系が似てるよな」
「…私…ねちょっとはしてない」
「ぶっ…もおっ…腹痛いから…っ…せっかく落ち着いたのに…野沢がねちょっと…してる、してる…」

また吐きそうな格好で倒れる右京はあまり体調が良くないのかもしれない。そっとしておこう…

「悠仁…終わった?」
「終わったぞ。後は法が日野を裁く」
「ほう?」
「俺たちも玖未も関係せずに警察が動く」
「どうやって?」
「知り合いの刑事がもう動いている。強制わいせつ罪の公訴時効の期間は犯罪のときから7年間。この7年間の日野の行為は調べられるだろうな。調べられるというのは被害者も話を聞かれるが、それ以前のことまでは警察は動かないだろう。期間に関係なく民事訴訟は出来るが…玖未はもう関わらずに前に進む気持ちだと…これは俺の想像だ。もし訴えるならちゃんと弁護士はつけてやる」

悠仁は私に分かりやすくゆっくりと説明してくれた。

「いらない…話すのヤダ…」
「ん。もう全て過去のことだな。これから玖未は…デザートか?」
「濃厚杏仁豆腐。取って来る」
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