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現在とか未来とか 2
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「若、ヒーターの下に魚を焼くグリルがあるんですよ」
「知らねぇ」
「さすが…若さま…」
思わず呟くと悠仁が私の額をツンツンと軽くつついた。押したら首が痛いから手加減してくれているんだよね。
「イチャイチャしてないで。とにかく、玖未ちゃん、うちでリハビリお願いね」
「…グリルを初登場させますね…っていうか、お魚なんか勝手に焼けますけど?」
「包丁を握る前に出来ることなら、様子を見てお願いするわ」
「その判断は、僕が指と手首の腫れと動きを診てさせていただきます」
「お願いします」
「ずっと家にいるのも暇だよね?2日もすれば、買い物くらいは出られるよ。荷物は持ってもらえばいいんだから。じゃあ、私はおはぎを食べて夜勤に出るね。明日も同じ時間に来て」
「ありがとうございました」
部屋を出ると彼が穏やかに言う。
「仕事の候補が勝手に現れたな」
「…びっくり」
「俺もだ。だけど、玖未。玖未が運を引き寄せ始めたのかもしれない。自分で運勢を動かし始めた」
サボサンダルからワンピース、すべて真新しい物を身につけてそう言われるとそう信じたい気がする。
下着がちょっと大人セクシーなのは落ち着かないけれど見えてないから大丈夫だ。
奈保先生が私の着ていた物のサイズを裕子さんに知らせたのは、ブラのサイズまでと抜かりない。ケガも診てもらっているので奈保先生にサイズはバレても恥ずかしくないけれど…ふっ…
「ん?」
「奈保先生もドライヤー買ったって…裕子さんと同じだ…」
そう話しながら上に戻ると
「おかえりなさい」「おかえり~ケガはどんな具合だった?」
野沢さんと右京が‘おかえり’って…
「…おかえりって…言った…」
「言ったな」
「おかえり…だって…」
「ん。玖未に言ったんだ」
家で言われたことがないの…施設では、何度も繰り返し施設に戻ることを皮肉られた‘おかえり’を言われたことがある。
施設では食いっぱぐれることがないだろうと、学校で言われたこととか…何で今思い出すの?食べること、買うことに選択なんて出来なかった…やだ…どうして今こんなことを思い出すの?
「…み…玖未」
「…」
「ただいま、だ」
「…」
「ただいま、と言うだけでいい。玖未の帰る場所で迎えられただけだ」
「…」
「もう現在が動いているだろ?1分先の未来を生きる言葉を口にしろ」
悠仁が私の肩を抱き、腕をゆっくりと撫でて言う。1分先の未来を生きる言葉…
「…ただいま」
「おかえりなさい、玖未さん。治療お疲れさまでした」
「おかえり。ケガ、灰谷は何て言ってた?」
「っと…2日もすれば買い物くらいは出られるって」
「そうかぁ、どこがいいかなぁ?」
「妹が買った物でなく、玖未さんが自分で選べるということですね」
1分先の未来…買い物の計画中になってるよ…まだよくわからないけれど、今はお世話になるしかない。
「あの…悠仁、右京、野沢さん…お世話になります…しばらく…すみません…お願いします」
「知らねぇ」
「さすが…若さま…」
思わず呟くと悠仁が私の額をツンツンと軽くつついた。押したら首が痛いから手加減してくれているんだよね。
「イチャイチャしてないで。とにかく、玖未ちゃん、うちでリハビリお願いね」
「…グリルを初登場させますね…っていうか、お魚なんか勝手に焼けますけど?」
「包丁を握る前に出来ることなら、様子を見てお願いするわ」
「その判断は、僕が指と手首の腫れと動きを診てさせていただきます」
「お願いします」
「ずっと家にいるのも暇だよね?2日もすれば、買い物くらいは出られるよ。荷物は持ってもらえばいいんだから。じゃあ、私はおはぎを食べて夜勤に出るね。明日も同じ時間に来て」
「ありがとうございました」
部屋を出ると彼が穏やかに言う。
「仕事の候補が勝手に現れたな」
「…びっくり」
「俺もだ。だけど、玖未。玖未が運を引き寄せ始めたのかもしれない。自分で運勢を動かし始めた」
サボサンダルからワンピース、すべて真新しい物を身につけてそう言われるとそう信じたい気がする。
下着がちょっと大人セクシーなのは落ち着かないけれど見えてないから大丈夫だ。
奈保先生が私の着ていた物のサイズを裕子さんに知らせたのは、ブラのサイズまでと抜かりない。ケガも診てもらっているので奈保先生にサイズはバレても恥ずかしくないけれど…ふっ…
「ん?」
「奈保先生もドライヤー買ったって…裕子さんと同じだ…」
そう話しながら上に戻ると
「おかえりなさい」「おかえり~ケガはどんな具合だった?」
野沢さんと右京が‘おかえり’って…
「…おかえりって…言った…」
「言ったな」
「おかえり…だって…」
「ん。玖未に言ったんだ」
家で言われたことがないの…施設では、何度も繰り返し施設に戻ることを皮肉られた‘おかえり’を言われたことがある。
施設では食いっぱぐれることがないだろうと、学校で言われたこととか…何で今思い出すの?食べること、買うことに選択なんて出来なかった…やだ…どうして今こんなことを思い出すの?
「…み…玖未」
「…」
「ただいま、だ」
「…」
「ただいま、と言うだけでいい。玖未の帰る場所で迎えられただけだ」
「…」
「もう現在が動いているだろ?1分先の未来を生きる言葉を口にしろ」
悠仁が私の肩を抱き、腕をゆっくりと撫でて言う。1分先の未来を生きる言葉…
「…ただいま」
「おかえりなさい、玖未さん。治療お疲れさまでした」
「おかえり。ケガ、灰谷は何て言ってた?」
「っと…2日もすれば買い物くらいは出られるって」
「そうかぁ、どこがいいかなぁ?」
「妹が買った物でなく、玖未さんが自分で選べるということですね」
1分先の未来…買い物の計画中になってるよ…まだよくわからないけれど、今はお世話になるしかない。
「あの…悠仁、右京、野沢さん…お世話になります…しばらく…すみません…お願いします」
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