彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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仮定の真否 7

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「何らかの家庭の事情で施設に何度も繰り返し保護されていたと考えてよろしいですか?」
「はい…何度もってわからないくらい何度も…それで…ぇっと…今はそれより期限とかのことだ…」
「省かず、ゆっくり話してくれていいぞ」
「うん…でも…半分施設にいたってだけかな…お父さんが死んだのが私の高1の時で…その時借金が残っていて…」
「ん」

少し体に力が入った玖未に頷いて見せながら、またミカンを口に持っていく。気楽に話せないことだろうが、出来るだけ気楽に吐き出せるように見守るしかない。

「施設の先生が…私が借金を払わないでいいようにしないとって…」
「相続放棄ですか?」
「それです…してくれて…手に職をつけた方がいいとアドバイスくれて…中卒でも取れる資格だと、調理師免許を教えてくれて…職場も紹介してくれて…アパートも探してくれて…」
「一人で借りられないだろうからね。玖未ちゃんの保証人になってくれたんだ」
「うん…」
「それが、日野という方ですか?」

コクンと野沢に頷いた玖未が恐る恐る視線を上げて俺を見た。

「それだけ‘してくれた’先生から対価を求められた…そういうことか?」

してくれて、の連続…話はここからか…大丈夫だと強く手を握り、しかし逃げ道を作ってやる。無理はさせたくない。

「よくここまで言えたな。もしどうしても言いたくなければここからは俺たちで調べる」
「大丈夫…」
「無理しなくてもいいぞ」
「大丈夫…でも…ゲンさんと期限…そっちに話がいっていい?」
「ん」
「おっ、玖未ちゃん、すごいじゃん。俺たちに分かりやすく伝えるために順序を考えてくれたんだろ?そっちから、聞く聞く」

右京が明るく言うのを聞きながら、俺はそっと玖未を抱きしめ

「何を聞いても離さねぇ…玖未…大丈夫だ。もう大丈夫…玖未は過去から解き放たれる。解放されるぞ、これで」

しっかりと言葉を届ける。すると

「私だけじゃないの…日野先生は…学校が続けられなくなった子の面倒を同じようにみる…」

玖未が俺の腕の中で話を始めた。野沢がメガネ越しに‘そのまま’と頷くが当然そのつもりだ。
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