彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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差し響く 15

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玖未がシャンプーしている間に

「灰谷、これが男の靴です」

野沢が組員に送らせた写真を見せる。

「ブーツだっただろ?」

よく観察している右京が正解だ。

「スニーカーならよほど骨を狙うように加圧しないと骨までいかなかったでしょうけど、この硬い靴底ならガンと踏まれればあり得ますね」
「悠仁、指いっとく?」
「ああ、意識のある時に右手の4本」
「10本いかなくていいの?」
「自力呼吸がやっとだと言ってたからな」
「意識が飛ぶか飛ばないかのあたりで苦痛は感じさせつつ、息は絶やさせないということですね?」

野沢の言葉に俺だけではなく灰谷も頷く。こいつも妹のことは言えねぇ、曲者だ。

右京は早速組員に電話している。

「…ってことで、親父にも若の意向をちゃんと伝えてくれよ?今回はそこが一番ヤバいから…そう、親父が…よろしく」
「若、玖未さんの見える傷は治療しました。縫合の必要なものはなし、傷痕が残りそうなのは左膝と顎ですが、そこは真っ先に奈保が治療していますし、明日以降も必要以上に執着して治療するはずです」
「頬は?」
「あれは問題ありません。手首は皮膚に傷がついていないので挫傷ですが皮膚の表面に傷がついていないからといって安心というわけではありません。皮膚の皮下組織や深部に傷があるのでしょうね…治るのに時間がかかると思います。おそらく指と同じくらい」
「チッ…どれだけ強く掴んでんだ…」
「若~大丈夫よ。私が完全に治してあげるから」

そう言って玖未を俺の隣に座らせた灰谷妹は

「これだけ掴まれてたのに頑張って抵抗し続けた玖未ちゃんを、私は尊敬するよ。助けが来るまでよく頑張ったね。諦めないといいことあるよね…偉い、偉い…すっごく偉い、偉かったよ…玖未ちゃん」

玖未の前に立ってぐしゃぐしゃと玖未の頭をバスタオルで拭いた。

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