彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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差し響く 7

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男に思いきり頬を平手打ちされた…痛いって言ってる場合じゃない。揉み合うんじゃなくて逃げなきゃ…ガッッ…ぃた…どこをどう引っ張られたのか分からないけれど勢いよく転けた…

ぁぁ…無理だ…終わった…

そう確かに思ったけど、本能的に…ズリッと前進する…ガッツッ…

「いった…っ…」
「大人しくしろ」

私の右手を硬いブーツの踵で踏みつけた男が初めて静かに言う…怖い…痛い…うつ伏せに倒れている私に跨がった男はスカートを捲り、破れたタイツをさらにビッ…と破る。

跨がられてアスファルトに押し付けられている足も痛い…と、複数の足音が近づく気配と

「玖未っ」

集団ストーカーリーダーの声が聞こえたのは一瞬で…ガッゴッ…頭の上を聞いたことのない音が飛び越えると同時に、重く痛い足が解放された。

ガッゴッ…っっぐぇ…

「若っ、ストップ…ここではストップしてください」
「悠仁っ、お前は玖未ちゃん優先だろっ」

顔を擦り付けてるかな…痛い気がする…騒がしいことで助かったこともわかる…

「…玖未」

そっと仰向けにされるとコートで包まれたようだ…あのマフラーと同じ香りの…背中を彼の膝に乗せてるかな…あちこち痛いからよくわからないけど、自分の無事は確かめたい。

ゆっくり目を開けると

「遅くなって悪い、玖未」

ワイルドイケメンが私の頬についているアスファルトの砂利をそっと払った。

「もう大丈夫だ」

彼のその言葉に、長時間力を振り絞っていた私は緊張の糸を切らせて意識を手放した…実際には数分のことだっただろうけれど。


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