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その後年末…

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「壱、いいよね?女性の起業を助けると思って出来ることならしない?」

 紫乃ならそう言うよな…榊原さんも絶対に断られると思っていなかっただろう。

「分かった。で?」
「ありがとう、助かる。礼はあの焼き肉屋で食べ放題」
「わぁ、豪華過ぎませんか?」
「来月、乃愛も一緒に行こうよ。パソコン…どれ使っていい?これいい?」

 すぐ後ろのパソコンを使って榊原さんは俺と紫乃に栫井さんの店のホームページを見せた。

「これ見てどう思う?」

 二人で画面を覗きスクロールして行く。

「これって栫井さんが自分で作ったんだ…無料のソフトか何か使ってとりあえず‘ホームページがあります’って感じですね」
「自分で作ったとかわかるところが壱だよね。私にはわからない」
「でも紫乃さんがそれ見て、雑貨屋を探してる客目線で見て、どう?」

 榊原さんに言われて紫乃は画面を見つめたまま

「ちょっと…活気がないというか、勢いを感じないので…」

 言葉を区切り榊原さんと俺を交互に見た。

「「どうぞ」」
「ふふっ…仲良しだ。ちょっと暇なお店かな?とかそういう印象ではあります。そうか…この画面の印象ではわざわざお客さんは足を運ばないかも」
「そうそれ。それなんだよ。壱、頼める?壱のプロの仕事に対しての報酬はもちろん俺が支払う」
「榊原さんのことを栫井さんに言わずにどうやって俺がホームページ触るの?無理です」
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