甘い支配の始まり~愛に従え 愛に身を委ねろ~【完結】

まぁ

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町田瑠璃子の巻

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 少し漏れ聞こえる話で、着物の姉妹が大学生だとわかる。

 法科がどうのとか、沖田財閥の顧問弁護士が目標だとか、バカみたいに大きな話をしているけど…沖田財閥って日本代表より大きな世界的な組織よね?まあ、ここではあり得ない大きな話をしても、いい気分にさせてくれるホストがいるからねぇ。彼女たちはそういう遊びをしているのね。

 そのあと、着物のオバサンが若い女を二人連れて来たと思ったら積み上げられたシャンパングラスが運び込まれる。

 えーっ…あのオバサンにはトーマ?お互いに趣味悪いわね。テレビで見たことのある賑やかなコールはないシャンパンタワーだが、何本かのシャンパンが注ぎ終わるまで全スタッフがタワーを囲んでオバサンたちに声を掛け、それから皆でシャンパンを飲んでいるようだ。

 ふーん…一度くらい、あの中心に私がいるのも悪くないわね。

 お会計を済ませて外へ出ると、ちょうど店の前に大きな黒塗りの車が止まり、シルバーのイブニングドレスの女が降りてきたと思うと、誠さんと数人のスタッフが迎えに来た。

 そういう待遇もありなの?しばらく電柱の影から見ていると出入りする人は皆、車で送迎されていて、たまにタクシーも来る。

 駅から歩いて来たのは私だけ?今度はタクシーで降り立つわ。待っててね、スタッフの皆さん。私、こういうきらびやかなところ大好きなの。
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