甘い支配の始まり～愛に従え 愛に身を委ねろ～【完結】

大垣誠の司会進行でお届けする♡結婚式♡

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「お待たせ致しました。新郎新婦の準備が整ったようです」
「早いわねぇ」
「はい、夢唯の仕事が早いのと、何より紫乃ちゃんの素材がいいのでちゃっちゃと着替えただけなのでしょう。では、入場曲にもこだわりましたのでご紹介させて下さい。うちの店に流というピアノが得意な男がいましてですね、彼に‘THE ROSE’‘LOVIN'YOU’の2曲を弾いてもらったのを大人な装いに変わった紫乃ちゃんに届けます。皆様、新郎新婦のご入場です」

　落ち着いたピアノの調べに合わせてゆっくりと現れた二人に盛大な拍手が送られる。紫乃のドレスはビスチェタイプに広がるスカート部というシンプル過ぎるような形だが、その色がビスチェ部の濃い紫から美しいグラデーションを描いて裾はくすんだラベンダーという大人色。そして細かい上品なビジューが至るところにちりばめられた…目の前で見ると見惚れること間違いないドレスだ。

「なんともお似合いの二人は、お写真の渋滞に巻き込まれていますね。前方のテーブルの方、二人を待つ間、デザートが来てますがまだシャンパンもワインもあるのでセルフサービスでどうぞ」

　退場の何倍も時間をかけてやっと席についた二人に

「壱…近くないか、それ」
「うん？椅子を動かした」
「それ…椅子引っ付いてるな？」
「ああ、さっきは隙間があったから引っ付けた」

　マイペースに返事する壱に誠もそれ以上何も言わず前をみると

「大垣。俺と聖が時間もらっても？」

　榊原が聞いた。

　そしてこのあと、榊原と聖がこの披露宴最大の見せ場…あの誓いのキスより印象的な時間を作り上げるのだ。