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perfect lover*理想の恋人

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 ‘紫乃ちゃん、ごめーん。俺のせいで飛び火?’
「ここにいるだけで可能性のあったことだから謝らないで、大丈夫だよ。壱が何とかするだろうし」
 ‘だな。また酒のつまみに聞かせて。今度はうちで’
「わぁ、ご招待ありがとうございます。真麻ちゃんも一緒に」
 ‘花火大会の日においで’
「花火、見えるの?」
 ‘俺の部屋、特等席’
「ほんま?」
 ‘ほんまほんま’

 まこちゃんの下手な関西弁に笑いながら通話を終えると…あっ、普通に女性の存在を忘れてた。

 こわいよ…美人が睨むとこわいって…

「花火大会の日は誠の部屋で、20日は気が進まないが年1回の銀座飲み日ってことだな。うちの客で誠の客筋でな。その日、紫乃は真麻と一緒」

 壱が私の方へ歩きながら全部言うのはいいけど…

「ダメだよ…怒ってる」

 小さく壱に伝えるが、壱はもう必要ないメモを手にして

「ん、仕事の続きしようか」

 私の隣に座った。あの人を無視するつもり?無理でしょ?

「壱、今まで通りたまに会おうって言ってるのよ」
「何度も断った。それでも何?ちゃんと付き合っていたわけでもないのに未練があるとは言わせない。金に困ったか?俺と付き合えば金が出てくるとでも思った?」
「…なっ…」
「図星だろ?目見りゃわかる。1分以内に出て行かないと…あんたの会社に電話する。ここで朝からサボってる奴がいるってね」
「…その子と付き合ってるの?」
「クソだな」
「ねぇ、あなた…若そうだけど壱は満足させてくれる?」
「…はぁ…満足?」
「そうよ。若い性欲を満たしてくれるかって聞いているの」
「………」

 何てことを聞くんだ…

「あっさり淡白な壱で満足?」
「…それって…別人の壱ですか?誰のこと?」

 隣を見ると、壱が笑いながら私の耳たぶを撫でた。
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